CESでは、新しいインターネット接続対応の4K UHD TVのモデルが揃って登場している。

今年から4Kテレビ番組提供を告知していた米Netflixは、LGとまずタイアップし、HDMI2.0搭載およびH.265/HEVC対応の新しい4K UHD TVモデルにアプリを搭載してサービスを開始するという。6日の早朝に始まったLG電子の記者発表会にて、Netflixのリード・ハスティングスCEOがステージに登壇して発表した。

4K番組コンテンツは、H.265/HEVCで約15Mbpsで対応する予定。アプリは、LG電子が提唱するwebOSスマートプラットフォームにも対応する。Netflixの4Kストリーミングサービスは、LG電子とのタイアップを皮切りに、年内中にサムスン、ソニー、VIZIO製の4K UHDTVにも対応していくとしている。

テクニカラーとドリームワークス・アニメーションが共同で設立したオンラインVODサービスのM-GOもサムスンと提携し、サムスンからの新4K UHD TVモデルに4Kクオリティのハリウッド映画や人気テレビ番組を提供することを明らかにした。M-GOの説明では、サービスで提供される4Kコンテンツはネイティブのもののほかにもテクニカラーが版元から許可を得て4Kにリマスタリングされたものを提供するという。

サービスの開始はこの春を予定しており、当初から100タイトル以上が揃う。帯域はネイティブ4Kが15Mbps、アップスケーリング版が3Mbpsだという。M-GOは現在、サムスンのほかにもLG、VIZIO、Rokuとも提携してストリーミングサービスを行っており、今後サムスンのほかにもハードウェア側の環境が4K対応になれば順次拡充していくと思われる。

サムスンといえば今回のCESにて、NetflixやM-GO以外にも、Amazon、Comcast(NBCU)とディレクTVが何らかの提携をして4Kコンテンツを4K UHD TVにストリーミングするサービスを開始することを発表している。サムスンからの新4K UHD TVは単純にパネル技術だけではなく、HDMI2.0、HDCP2.2のほか、HEVCデコーダーチップをビルトインして4Kコンテンツ再生にフル対応した唯一のテレビブランドだ。年内は、UHDビデオパックというパラマウントや20th Century Foxからの4K作品を50タイトルほど揃えてハードディスクに詰め込んだパックを販売するとも発表している。

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余談だが、サムスン社の記者発表会はエンターテイメント面でも話題を巻き起こした。もっともその場で“いったい何が起こったのか”と呆気にとられたのは、ゲストでステージに上がって話をし始めたマイケル・ベイ監督が、動揺を隠せずにステージから去ってしまった場面だ。

本来は、サムスンのジョー・スティージアーノ執行副社長(EVP)と一緒に、いかに最新の湾曲“5K液晶テレビ”が素晴らしいか、制作中の「トランスフォーマー4」とのプロモーションを兼ねてスピーチをする予定だった。しかし、本人用のプロンプターが不動作を起こし始めたことに気が付き(実は、最初にそれをそのまま読んでしまっている)、「The type is all off – sorry but I’ll just wing this(言葉がちぐはぐになっている…すいません、でもアドリブでやります)」と言いながらスティージアーノEVPの助け舟にも乗れず、結局すべてを放棄して退場してしまった。

このハプニングは多くのニュースサイトで取り上げられたこともあり、ベイ氏は自分のブログサイトに今回の出来事のコメントを投稿し“自分は生トークショーには向いてない”とくくっている。ちなみにプロンプターはAutocue社製。

(山下香欧)