ツイッター側の許容範囲を超え、エレン・デジェネレスのツイッターアカウントへのアクセス制限の原因となった自分撮り。ケヴィン・スペイシー、アンジェリーナ・ジョリー、ジュリア・ロバーツ、ブラッド・ピット、ジェニファー・ローレンス、エレン・デジェネレスとジャレッド・レトが揃ってのショット
3月2日に開催された第86回アカデミー賞の放送は、ABCにて過去3年連続の上り坂を記録した。テレビ放送では4300万世帯の視聴者数を獲得。市場調査のニールセンが計る当日の番組放送における世帯平均評価(21.9%)は昨年から7%アップした数値で、2005年以来の最高値となった。プライムタイム(19時~23時)に放送したABCの記録は、他に放送したCBS、FOX、NBCを合わせた記録(6.6%)の2倍以上になった。ABCはまた、今回アカデミー賞史上初のライブストリーミング中継も実施した。
ソーシャルメディアでの成長も著しい。ABCでのアカデミー賞ツイートは昨年比2倍の1120万件にもなった(うちユニークユーザーは280万)。このツイートは会場で授賞式に参加しているスター達や来場者からの発信を加えると、合計で1390万ツイートと算出されている。
ツイートで爆発していたのは、授賞式のホスト役でもあったエレン・デジェネレス。彼女がホスト役をしながらツイートする@TheEllenShowは100万回もリツイートされ、時には1時間以内に130万回以上のリツイートされる記録も作ってしまった。とりわけセレブの集まりセルフィー(自分撮り)はツイッター側でも許容範囲を超えてしまい、しばらく@TheEllenShowへのアクセス制限を実施しなければならなくなった。このツイートは3分以内に8万件のリツィートを記録している。
実はこのセルフィーの背景に、サムスンの広告戦略が絡んでいた。デジェネレスがGALAXY Note3をブラッドリー・クーパーに手渡して撮影している。サムスン側のエージェンシーがABCにデバイスを配布し、テレビ中継中にデバイスが視野に入るよう依頼。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、サムスンは授賞式放送のコマーシャルスポット料として大よそ20億ドルを費やしたという。しかし番組途中でのコマーシャルを飛ばせる機能がある現実、今回のサムスンによる授賞式会場でのゲリラはコマーシャル以上の効果があっただろう。
(山下香欧)