株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)が協賛している「東京・春・音楽祭 2014-東京のオペラの森2014-」イベントでの技術的なエポックとして、次世代の動画配信技術“HEVC over MPEG-DASH”を採用したライブ配信が行われる。

今年10年目を迎えたこの音楽祭は、上野公園を中心に、約100公演が繰り広げられる。3月23日に開かれる「東京春祭マラソン・コンサート vol.4 リヒャルト・シュトラウスの生涯~生誕150年に寄せて」では、マルチスクリーンへのライブ配信が大規模に一般公開される。配信方法の一つとして、IIJが構築したシステムを使ったHEVCとMPEG-DASHを組み合わせたライブ配信は、一般視聴者向けとしては国内外で前例がない。

HEVC(H.265)は、現行で浸透したH.264に比べて、同等の画質でも配信・再生する際の回線容量を最大50%節約できるといわれている、最新の映像符号化標準規格。

一方、MPEG-DASHは現在の多様化するフォーマット/デバイスを意識させないで配信を行えるマルチデバイス向けの動画配信標準規格。この2つを組み合わせた技術参考展示は昨年、MPEG-DASH側がHEVCに対応できるようになってから、ちらほらと見られるようにはなっていた。

IIJでは配信システムに実績を持つRovi社(DivX)とエレメンタル・テクノロジー社の技術を採用するという。PC/Macでの視聴者は、専用プレイヤーDivX Web Playerを事前にダウンロードしておく必要がある(無償提供)。視聴方法は、PC/MacでのHEVC over MPEG-DASH方式のほかに、スマートフォン、タブレットおよびPC/Macでの通常ブラウザ(Flash)、そしてテレビからアクトビラサービスでライブ公演を視聴できる。

このライブ配信は3月23日の11時から20時頃まで。ライブコンサートは東京文化会館にて行われる。各コンサートプログラムについては以下のサイトから。
http://www.tokyo-harusai.com/program/page_1839.html

(山下香欧)