Blackmagic Designは、デジタルフィルムカメラ「Blackmagic URSA」をNAB2014にて発表した。URSAは、センサーおよびレンズマウントの部品を交換可能なため、EFあるいはPLレンズマウントだけでなく、B4マウントで放送用ビデオセンサーを使用するなど、将来的にアップグレードすることも可能だという。Blackmagic URSA EFモデルはUS$5,995(国内:税抜624,800円)で2014年7月より出荷予定。

Blackmagic URSAは、モジュラー・カメラタレットを搭載しており、4つのボルトを外せば簡単にタレットを取り外し可能。このカメラタレットにはセンサー、レンズマウント、レンズコントロール接続が搭載されており、今後新しいタイプのセンサーが登場した際には、アップグレードが可能だ。

PLマウントレンズに対応したURSA PL、そしてキヤノンやZeissなどのEFマウントレンズに対応したURSA EFなど、4モデルに対応している。これらのモデルには、大型スーパ-35mmのグローバルシャッター・デジタルフィルムセンサーが搭載されている。2014年後半にリリース予定のURSA Broadcast B4モデルは、放送ビデオ用Ultra HDセンサー、放送局で使用されるB4レンズマウントに対応している。センサー未搭載のURSA HDMIモデルは、レンズマウントの代わりにマウントポイントの付いた「チーズプレート」およびHDMI入力を搭載しており、サードパーティ製のカメラでURSAカメラ本体の機能を使用できるという。

また、大規模な撮影クルーでも、ワンマンオペレーションで使用でき、10インチの大画面開閉式モニター、ユーザーによるアップグレードが可能なスーパー35mmグローバルシャッター4Kイメージセンサー、内蔵デュアルRAW/Apple ProResレコーダーなどの機能を搭載している。

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開閉式の10インチスクリーンをビューファインダーとして使用

さらに、冷却システムを搭載しており、高フレームレートを扱っていてもカメラ筐体が熱くなることはなく、ファンの作動音も静か。オーディオエンジニア用には、オーディオメーター、コントロール、オーディオ接続端子が付いている。Blackmagic URSA PLおよびBlackmagic URSA EFの主な機能は下記の通り。

(以下、プレスリリースより引用)

  • イメージのディテールを高品質キャプチャーする高解像度4Kスーパー35mmサイズセンサー
  • スムーズなパン、イメージの動きを捉えるプロ仕様のグローバルシャッター
  • ディテールをキャプチャーしてフィルムルックを実現できる12ストップのワイドダイナミックレンジ
  • 超高品質PLおよびEFマウントレンズと互換
  • ユーザーによるアップグレードが可能なデザインで、センサーおよびレンズマウントをアップグレード/変更可能
  • 内蔵デュアルCFast 2.0カードレコーダーで、無制限に高品質収録が可能
  • Apple ProRes、圧縮CinemaDNG 12 bit RAWなど、ポピュラーなNLEソフトウェアと互換性のあるオープンファイルフォーマット。カスタムファイルフォーマットは未使用
  • Ultra HDまでの解像度で、ProRes HQ、ProRes 422、ProRes LT、ProRes Proxy収録をサポート
  • デュアルXLR mic/lineオーディオ入力(ファンタム電源対応)、モニタリング用6G-SDI出力(カメラ状況グラフィック・オーバーレイ対応)、ビューファインダー電源用の4ピンXLR出力、6G-SDIモニタリング入力、ヘッドフォンジャック、LANCリモートコントロール、標準の4ピン12V DC電源など、標準インターフェースを搭載
  • サウンド収録用ステレオマイク内蔵
  • カメラ設定、メタデータ入力用の、3独立した3面LCDモニター。フル解像度HDでモニタリング可能な、明るい広視野角の10インチ開閉式スクリーン
  • 23.98、24、25、29.97、30、60fpsまでのUltra HDおよび1080HD解像度キャプチャーに対応
  • 将来的にセンサーが同機能をサポートしている場合、液体冷却システムで高フレームレートに対応
  • すばやく取り外し可能な三脚マウント、Vマウントおよびアントンバウアーマウントバッテリープレートを追加
  • カラーグレーディングおよび編集に対応した完全版DaVinci Resolveソフトウェアを同梱

Blackmagic DesignのCEO、グラント・ペティ氏は次のようにコメントしている。

ペティ氏:URSAを開発した目的は、高フレームレートにも対応可能な冷却システムを有し、大型のオンセットモニター、内蔵スコープなどの機能を搭載したカメラを作ることでした。カメラ本体に、必要な機能をすべて詰め込んだのです。しかし、これらのアクセサリの開発にコストを費やすことには問題があります。それは、センサーテクノロジーが発展すると、アクセサリが古くなってしまうことです。そこで私たちは、センサーをアップグレードできるデザインを考案しました。ユーザーは新しいセンサーとタレット部品をボルトで簡単に固定できます。

これは革新的なデザインです。このアップグレード・デザインにより、私たちはカメラ本体、スクリーン、レコーダー、冷却システム、処理機能の開発に、より力を注ぐことができたのです。結果としてこれまで見たこともないような、この素晴らしいテレビ製品が誕生したのです!