AJA Video Systems社は、4K対応のプロダクションカメラ「CION(サイオン)」を発表した。CIONは人間工学に基づいたデザインが特徴で、4K/UltraHDと2K/HD解像度で撮影が可能。発売は2014年夏を予定している。

CIONは、同社のKi Pro製品ラインによる収録から編集までをApple ProResで繋ぐワークフローをもとに、自然のままのイメージキャプチャを実現するApple ProRes(12bit 444を含む)を収録コーデックとしたカメラ内収録機能を搭載している。ProResコーデックは編集や色補正、フィニッシングアプリケーションとの幅広い互換性を持っている。CIONは3G-SDIx4出力による最大120fpsの4K RAWデータ出力機能を提供し、またSSDメディアのAJA Pakに最大60fpsで直接記録も可能だという。

CIONは業界標準レンズとの互換性を図り、PLレンズマウントを採用。HDや2K収録時の画像は、フル4Kセンサーからオーバーサンプリングされるため、焦点距離を保持しながら画像を提供できる。ビルトイン・フィルタは、適切な色を生成するための赤外線(IR)カットフィルターと、不要なエイリアシングやモアレを解消する光学ローパスフィルタ(OLPF)を装備。また、3G-SDIとHDMI出力はすべてが同時にアクティブであり、さまざまな4K/Ultra HD、2K/HDモニターに信号を供給可能。電力出力コネクタは、電子ビューファインダーを使い易くするためユニット前部に配置されている。

また、オペレータ側から簡単に管理できるユーザーインターフェイスを備えており、カメラのメニューパラメータは、LAN経由で任意のブラウザによるアクセスが可能なWebインターフェイスを介してリモート設定が可能。

一体化されたスチール製のロゼットは、ハンドグリップや拡張ハンドルなどのアクセサリーをカメラ本体にダイレクトに取り付けできる。さらに、シャーシの上部と下部には、AJAやサードパーティー製アクセサリーの容易な取り付けを可能にする、標準ねじ穴のチーズプレートが取り付けられている。CIONの主な機能は以下の通り。

(以下、プレスリリースより引用)

  • センサー:4K APS-C CMOSセンサー、グローバル電子シャッター、ダイナミックレンジ12ストップ
  • 記録フォーマットと解像度:Apple ProRes 4444,Apple ProRes 422(HQ),Apple ProRes 422,Apple ProRes 422(LT),Apple ProRes(Proxy);4K(4096×2160),Ultra HD(3840×2160),2K(2048×1080),HD(1920×1080)2KおよびHDでは、フル4Kセンサーからオーバーサンプリングされたハードウェアスケーリングによる高い画質が得られ、視野も保持されます。
  • メディア:256GB/512GBのAJA Pak SSDメディアを使用。ThunderboltまたはUSB3.0経由でデータ転送を行えるAJA Pak Dockオプションにより、HDから4Kにおける10bitおよび12bitワークフローに対応
  • RAWサポート:3G-SDI経由の最大4K 120fps、またはThunderbolt経由の4K 30fps AJA RAW出力をサポート
  • レンズマウント:業界標準PLマウント
  • コネクタ:
    -3G-SDI/HD-SDI出力x4(4K/Ultra HD/2K/HD)
    -オーバーレイをサポートする3G/HD-SDIモニター出力x2
    -4K/Ultra HD、あるいはスケーリングされた2K/HDをサポートするHDMI出力x1
    -2K/HD HDMI出力x1
    -mic/line/48v XLRアナログオーディオ入力x2
    -LANC制御ポートx2
    -LTC入力コネクタx1
    -リファレンス入力コネクタx1
    -USBコネクタx1
    -10/100/1000 Ethernet LAN接続x1
    -ミニTRSヘッドフォンジャックx1
    -4ピンXLR電源コネクタx1
    -サードパーティ製のバッテリープレートを取り付けるための入力電源コネクタx1
    -出力電源コネクタx1
    -Thunderboltコネクタx1
  • 光学ローパスフィルタとIRカットフィルタ:画像のディテールを保持し、不要なモアレを低減するにはOLPF(光学ローパスフィルタ)が依然として有効です。赤外線(IR)カットフィルターは不要な光の波長成分を遮断することにより、高い色再現性をもたらします。
  • バックフォーカス調整:レンズとセンサー間の距離の微調整を確実に行うことで、可能な限り最も鮮明な画質が得られる事を保証します。
  • インダストリアルデザイン:軽量なマグネシウムシャーシ、組込みモニター、標準的な再生コントロール、最適配置されたコネクター類。一体化されたチーズプレートは、シャーシのトップとボトムの両方に備わり、付属品の容易な取付けを可能にします。CIONの全てのアクセサリー接続ポイントは、15mmロッド、1/4-20と3/8-16ネジ、およびM6ロゼットなど、オープンスタンダードな仕様となっています。
  • ユーザーインターフェース:オペレーターサイドのパネルディスプレイとコントロールノブやボタン、またはWebブラウザを使用したLAN接続によるコントロールが可能で、ソフトウェアのインストールは必要ありません。