ワールドカップ開幕10日前の6月2日、FIFAはリオデジャネイロ国際放送センター(IBC)がオープンした。

IBCは、リオデジャネイロにあるRiocentroコンベンションセンター内の3パビリオンを利用して構築された(総合55000m²)。IBCには86社の公式認定メディアが41か国から、そして160の放送認定テレビネットワークが揃う。また15000人以上のジャーナリストが登録されており大会で取材する。FIFAは、3200時間だった前回の南アフリカの時よりもはるかに多い5000時間分の放送をサポートする。

IBC施設では6月3日からフル運用できる環境が整い、当日は5時間分程度の番組が放送された。24時間でフルカバーする米ユニビジョンのスポーツ番組チャンネルUnivision Deportes Networkとスペイン語圏最大のテレビ局のテレビサは、オープン当日に施設内の専用スタジオで放送を行っている。ユニビジョンはFacebookと提携し、Instagramを使った写真投稿や映像投稿を中継放送とも連携しながら実施する。これはFIFAでも初のソーシャルメディアと放送のコンビネーションとなる。

140611_FFIA_IBC_01.jpg

ワールドカップ64試合は、12都市で行われる。それぞれの試合会場には34台のHDカメラが設置され、全てのライブ映像がIBC内のFIFA TVプロダクションに寄せ集められる。今回、FIFA初の試みとして、クレーンや無人カメラも合わせて、全ての会場のカメラ設置を1つのデザインに統一した。IBC施設内には17のスタジオ(最大400m²の広さがある)があり、40インチクラスのHDモニターが340台も配置され、施設外には6000m²の面積にアンテナが立ち並んでいる。これら施設内の工事には5か月ほど費やしたという。

尚、IBCのために敷いたブロードバンドインフラは、ワールドカップ後には低コストのインターネットサービスとして使用される予定。

(山下香欧)