コードカッターという言葉は一時のようにケーブル市場を騒ぎ立てることもなくなったが、ケーブル加入者にも魅力的なDVRガジェットがまた一つ出てきた。

Nuvyyo社から発売したTabloは単独の新しいDVRで、独自の電子番組表(EPG)とアプリを使って録画したリニア放送の番組もマルチデバイスで視聴できる。Tablo筐体には2~4つのチューナーがあり、インターネット経由でライブや録画した番組を従来のPC、タブレット、スマートフォンといったモバイルデバイスや、Roku、クロームキャストなどにストリームするようになっている。テレビで視聴したい場合は、これらデバイスを介してテレビスクリーンに再生する。

ケーブルTVサービスの醍醐味は様々なジャンルの番組がサービスによっては100チャンネル以上から観られることだ。しかし米国でのケーブルサービスの使用料は月100ドル以上もかかるのが現状で、Netflixや類似オンラインサービスが登場して以来、ケーブル加入者がオンラインサービスに乗り換える傾向が上昇している。

しかしNetflixだけではコミュニティチャンネルやローカル番組は観ることができないので、ケーブル事業者からのテレビサービス経由で観ているのが現状だ。

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Tabloでは、ケーブル事業者のサービスを受けずにローカル番組の録画をマルチデバイスで観られるのが売りだ。通常の屋内外TVアンテナがあるエリアでは、リニア番組が10チャンネル以上から受信できる。Tabloはテレビ信号をキャッチし、現在いる場所の郵便番号をベースにEPGを探し出してスクリーンに表示する。スクリーンのインターフェースはApple TVやオンデマンドサービスと似たデザインだ。各番組の詳細もサムネールを手繰れば表示でき、録画した番組にも文字表示ではなくレーベルアイコンが表示される。

番組表だけでなく、テレビ番組のジャンルごとに表示もできる。録画は従来のサービスのようにEPGに従って同じ番組を自動録画するような方法も設定可能。

このEPGはNuvyyoのサービスの一つで、無料期間が過ぎると毎月5ドルの使用料を支払う(または年間契約や買取り契約もそろっている)。ケーブル事業者が毎月有料で送ってくる番組ガイドと同じだ。

Tabloは2X USB、Wi-Fi(デュアルバンド802.11n)搭載で2チューナー(ATSC)モデルが250ドル。4チューナーが320ドルとなっている。ケーブルテレビサービスを毎月100ドル支払い続けるよりも、ブロードバンドのみの契約に切り替えつつ、Netflix+Tabloでマルチスクリーンでのテレビ番組視聴環境を構築するのも、ネットインフラが整えば快適な選択になるかもしれない。

(山下香欧)