以前からARRIで6Kカメラが新たに開発されていることが噂されていたが、ついにCinecにてその姿を見せた。
6K 65mmシネマカメラ「ARRI ALEXA 65」にはスーパー35の3倍以上、つまり業界で最大のハイパフォーマンスMPS(モーションピクチャーセンサー)になるA3X CMOSセンサーが用いられている。
アクティブイメージングサイズは54.12×25.59mmで、ARRI 765(65mmフィルムカメラ)よりも大きく、6560×3102サイズ(OpenGateモード)で、ALEXAシリーズ如く、標準感度はE.I.800と高感度でダイナミックレンジは14ストップ以上。
A3Xセンサーの画像属性はALEXA XTと同じ技術に基づいており、したがって35mmのXTと一緒に撮影現場で使っても、編集のパイプラインに別のワークフローやら別の色補正を加えるといった追加の仕事は要らない。
ボディにはWi-Fiボックスが搭載されており、無線でのリモート制御が行えるようだ※画像をクリックすると拡大します
レンズはハッセルブラッドとタッグを組み、24~300mmから50~110mmまでの8セットが揃う。ブランド最新のXPLレンズマウントでPrime 65~Zoom 65レンズをサポート。また765レンジのレガシーレンズも付けられる(今後オプションレンズとしてサードパーティによるオプションレンズが登場する予定)。
本体の記録フォーマットは当然ながら非圧縮のARRIRAW。480GBのCodex XRドライブで11分(24fps時)記録できる。現在はCodexからALEXAシリーズのRAWデータを扱えるデータマネージメントシステムValut Lab65として2機種(Vault S/XL)が揃っている。Codex Vault SはGPU処理能力を持ったデイリー編集が行えるシステム。8TB許容量のストレージで3時間ほどフル6K ARRI RAWを扱える。
8TBリムーバブルディスク搭載のVaultS
現在は、ARRI Rentalのみで限定的にレンタルサービスが展開されており、今後の販売体制、価格については未定。
簡単な仕様は以下のとおり。詳細はARRI RENTALのWebサイトに公開されている。
<技術仕様>
- 65mmデジタルシネマカメラ
- センサー:ARRI A3X CMOSセンサー
- 絞り範囲:f/5 65mm(フルカメラの絞り)
- センサー解像度:6560×3102(最大値)
- センサーサイズ:54.12×25.58mm(アクティブイメージエリア)
- レンズマウント:レンズデータシステム(LDS)付きARRI XPLマウント(64mm径)
- ISO:EI 200~3200ベースは800
- ダイナミックレンジ:14ストップ
- 記録フォーマット:非圧縮ARRIRAW
- シャッター:電子式1/5秒 – 1/358秒、1/10刻みで調整可能
- フレームレート:0.75~27fps(2015年前半で60fpsにアップグレード予定)
- サイズ:387.8mm(長さ)×208.3mm(幅)×163mm(高)(XPLマウント付ボディ)
- 重さ:10.5kg
(山下香欧)