©Alicia J Rose

Blackmagic Designの発表によると、アメリカのオレゴン州ポートランドで8月上旬に開催された音楽イベント「ピッカソン・ミュージック・フェスティバル」で、5台のBlackmagic Studio Camera、6台のATEM Production Switcher、そしてその他多数の同社製品が使用されたという。ピッカソン・ミュージック・フェスティバルは、ピッカソン・ファームと周辺の森に設置された7つのステージで、3日間に渡って50以上の音楽イベントが開催された。

同フェスのプロデューサーであり、プロダクションの分野で豊富な経験を持つライアン・スタイルズ氏は、68名のスタッフと223名のボランティアを統括し、フェス会場に設置されたモニターにライブ映像を送信。さらに、同フェスのウェブサイトだけでなく、地元のテレビ局KEXPのウェブサイトも経由し、44時間に渡るインターネットのライブ配信を行った。

57フィート(約17メートル)の中継トラックがメインステージの近くにスタンバイし、車内に設置されたATEM 1 M/E Production Studio 4KおよびATEM 1 M/E Broadcast Panelが、ライブプロダクション・ワークフローの中心となった。すべてのステージからのライブフィードと、3台のコンピューターからの編集コンテンツがATEMスイッチャーに送信された。

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©Inger Klekacz

スタイルズ氏:ATEMスイッチャーがなければ、ピッカソンは成り立たなかったと思います。私たちが必要としていたのは、安定性、そしてすべてのステージに共通するシステムでした。ATEMソフトウェアのシンプルさと使い勝手の良さ、ネットワークを介したコントロールなどが、勝因となったのです。

ATEMが果たした役割は、どれだけ強調してもしきれません。ピッカソンが抱える課題のひとつは、スタッフが一時的に集まったスタッフだということです。私たちは日頃、業界内の様々な分野で仕事をしており、このイベントの時期だけ集結してます。スタッフにはテクノロジーよりも映像の美しさなどアート面に集中して欲しいので、機材に関しては5分足らずの説明で操作を覚えてもらう必要があります。ATEM Production SwitcherとBlackmagic Studio Cameraでは、まさにこれが可能だったのです。

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©Tobin CopelandTurner

スタイルズ氏:今年のプロダクションのシステムを構築していた際に、Blackmagic Studio Cameraが必要になると確信していました。Blackmagic Studio Cameraは非常に機能的で可搬性に優れており、ライブプロダクションには最適です。

ライブ撮影中は、メニュー項目を掘り下げて行くことは不可能ですが、Blackmagic Studio Cameraはあらゆるオプションに簡単にアクセスできます。また、今回、2つの撮影モードが非常に役立ちましたね。ポスプロでの編集、カラコレ用にはFilmモードでフラットな画を撮影し、ライブ配信用はVideoモードに切り替えてリッチなトーンの画を撮りました。

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©John Keel

スタッフ達はメインステージ以外のステージにも配置され、Blackmagic Studio Camera HD、ATEM Production Studio 4K、ATEM 1 M/E Production Switcher、3台のATEM Television Studio、6台のATEM Camera Converter、3台のATEM Studio Converter、フッテージ撮影用のHyperDeck Studio Proおよび3台のHyperDeck Shuttle SSDレコーダー、2台のH.264 Pro Recorder、13台のMini Convertersなど、様々なカメラ、スイッチャー、コンバーター製品が使用された。ステージと中継トラックの接続には、3,800フィート(約11.5km)の光ファイバーケーブルが使用された。また、「On the Farm」と呼ばれるミュージシャンたちが、会場周辺のプライベート・セッションの撮影に、Blackmagic Design Production Camera 4Kを使用した。