NLTテクノロジー株式会社はCEATEC2014にて、新しく開発した視点の動きに応じて表示画像を最適化する、独自のアイトラッキング3Dシステムを参考展示している。
HxDP(Horizontally x times Density Pixels)という、従来にない多視点の裸眼立体視が可能な高精細裸眼3D表示技術に対応した液晶ディスプレイモジュール、3D画像処理エンジン・TR3i-2(Truly Realistic 3D Imaging)、そしてKinectベースのアイトラッキング装置で構成されている。
裸眼ディスプレイ技術HxDPは、NEC時代から開発してきた独自裸眼3D技術“HDDP(Horizontally Double-Density Pixels)”をさらに進化させて、多視点裸眼3D表示に対応させた。画素を水平方向に配列し、ひとつの画素を視点数分のサブピクセルセットを高密度で配置。複数(x)視点をその(x)倍の密度で画素を配置するため、Horizontally×times-Density Pixelsと呼ばれている。分割して左右眼用のデータとさせて表示する。従来の3Dディスプレイのように解像度が左右眼で半分にならず、3Dを2Dと同じ解像度で表示でき、さらに2D字幕に3D画像といった同じ画面上に2D/3Dを混在させられる。
TR3i-2の多視点対応イメージ
3D画像処理エンジンのTri3iを開発した当時は2視点の画像データの視差計算を実行して なめらかな3D画像を生成するものだったが、今回のシステムで採用しているのは進化版Tri3i-2。100を超える視点から見た画像を生成することができるため、観察者の視点の位置が変わっても、その変化に対応して視差調整を実行し、より立体感のあるスムーズな3D映像の表示が行える。
体験デモコーナー。観察者が動いても、その視点に合った立体映像が表示され、上下の動作にも対応する。コントローラで3D画像の前後左右のコントロールや2Dへの切り替えなどが行える
NLTテクノロジー社は、元NEC液晶テクノロジー社。2011年に深セン中航光電子有限公司と合弁を経てNLTテクノロジーと名前を一新させ、グローバル規模で産業分野に液晶ディスプレイを供給している。
(山下香欧)