ケイ・オプティコムは、同社がスポンサリングしている大阪マラソン2014にて、既存FTTH網で各種放送方式による4Kリアルタイム伝送試験を実施する。

開催日は2014年10月26日。ケーブルテレビ放送およびBSデジタル放送、地上デジタル放送の各方式で変調した4K映像を、既存のFTTH網を使ってリアルタイムで伝送し、パブリックビューイングを行う。

同社は昨年の大阪マラソン2013において、HEVC技術を用いてリアルタイムエンコードした4K30p映像の伝送に世界初の成功をおさめた。今回はさらに発展させ、現行のeo光テレビサービスで利用しているFTTH網を利用することで、実際の商用サービスに近い環境で行う国内初の試みになる。

当日は、マラソンフィニッシュ地点であるインテックス大阪前にて4Kカメラ(固定)で撮影。直結したHEVCリアルタイムエンコーダーを介してCATV放送方式(256値QAM)、BSデジタル放送方式(8PSK)、地上デジタル放送方式(OFDM)に変調し、ケイ・オプティコムのFTTH既存設備を利用して伝送する。また4K映像と同時にHDTV撮影した映像をアップコンバートし、4K映像として各種変調方式で伝送する。

パブリックビューイング先のインテックス大阪2号館ケイ・オプティコムブースにて、テレビ用回線終端装置(V-ONU)で受信した映像信号を、各種方式に対応したセットトップボックス(STB)で復調し、4Kテレビにて表示する。会場ブースでは、4Kテレビのほか、4Kと同様に伝送したHD映像を比較表示する予定。また事前に撮影した4Kコンテンツや4Kウェアラブルカメラで撮影した映像を4Kタブレットで視聴できるようにもする。

ケイ・オプティコムは今回の伝送実験を通して、各種変調方式での映像伝送技術や必要ビットレートの確認、FTTH網での伝送品質の確認、エンコーダーおよび各種放送、伝送機材の動作確認などを実施する。今回の検証を踏まえて、eo光テレビでは、2016年に開始予定のBSにおける4K試験放送を、セットトップボックスが不要なパススルー方式で提供する予定。その他の放送方式においても、4K放送の普及拡大に向けて準備を進めていく方針である。

ケイ・オプティコムは当日、会場ブースにて、現地説明会を2回実施する予定(11:30~および14:30~)。

(山下香欧)