Blackmagic Designの発表によると、O2 FilmesがTV Globoの新作コメディー番組「Lili, a Ex」の撮影に、複数のBlackmagic Pocket Cinema Cameraをメインカメラとして使用しているという。オンセットでのインジェストはデジタル・ラボ会社のWhite Gorillaが担当し、番組用のすべてのカラーコレクションはO2 PostがDaVinci Resolveを使用して行っている。

「Lili, a Ex」の原作は、前夫のレジナルドを苦しめることを人生の目的としているリリを描いた、カコ・ガリアルド氏の人気コミック。同番組は、ブラジルを拠点とするO2 FilmesとO2 Postが制作とポストプロダクションを担当しており、TV GloboのGNTケーブル番組として南米全土で放映されている。

「Lili a Ex」は、原作コミックが大人気となった要因である独特のルックと雰囲気を作りつつ、最高の品質を実現することが求められているという。各シーズンで13エピソードの撮影・仕上げに費やせるのはわずか4週間で、番組全体を通してスーパー16のシネマルックを保持するために各エピソードはCinemaDNG RAWで収録される。Blackmagic Pocket Cinema CameraはO2のワークフローに完璧にフィットしており、CinemaDNG RAWでの収録や同番組に求められるスーパー16のルックを、1台の機器で実現できるとしている。

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O2ポストプロダクション部のパウロ・バルセロス氏は次のようにコメントしている。

バルセロス氏:私たちがBlackmagic Pocket Cinema Cameraに決めた主な理由は、そのサイズと、CinemaDNG RAWフォーマットで収録できる点です。狭い場所での撮影が多く、カメラをすばやく動かさなくてはならないんです。スーパー16のルックをが必要な点も含めると、これらの条件をすべて満たせるのはBlackmagicのBlackmagic Pocket Cinema Cameraだけなんです。

O2 Filmesは、同テレビシリーズ全体を収録し、オンセットでDaVinci Resolveを使用してリアルタイムでデコード可能。この作業はWhite Gorillaと協力して行われる。White Gorillaのシステムとソフトウェアを使用して、O2はすべてのコンテンツをインジェストし、DaVinci Resolveに移してオンセットでリアルタイムでデイリーを作成する。その後、ファイルはO2 Postのメインサーバーに送られ、エディターやDaVinci Resolveのカラリストがすぐに作業を行い、最終的なカラーコレクションを完了させる。

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「Lili a Ex」で、O2はDaVinci Resolve 11を使用。新しいオンセットツールを使用して、メディアドライブ、メモリーカード、カメラパックを複数の保存先に同時にコピーできるため、O2は安全なバックアップを取ることができるとしている。

バルセロス氏:DaVinci Resolve 11のベータ版が発表されて、すぐに使用を始めました。オンセットで使用して、カラーグレーディング済みのファイルをオンセットで作成し、すぐにO2 Postに送って共同カラーグレーディングを行うことができるんです。DaVinci Resolveのトラッキング機能も多用しました。あるシーンでは、ノードを12個くらい使用しました。あらゆるシーンでノードを無制限に使えるのは最高ですね。さらにマスクも多く使用して、シーン全体のルックや照明を再形成できます。これは本当に大きいですね。