米アマゾンは28日(現地時間)に、Googleクロームキャストと真向から市場対抗するような製品「Fire TV Stick」を発表した。49ドルのRoku Streaming Stickと同様に専用リモコンがオプションで用意されており(別途価格29ドル)、ハードウェアがハイスペックな点でポイントを稼ぐ。

Fire TV StickはテレビのHDMI端子に直接挿し込み、自宅の無線LAN環境に接続して使う。電源はmicro USB経由、または付属アダプターから。Fire TVボックスと直接同期がとれるようだ。

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操作は専用リモコンまたはスマートフォンアプリ「Fire TV Remote App」から。Amazonインスタントビデオ、Netflix、Hulu、SpotifyといったVODサービスや音楽ストリーミングサービスの視聴や、Amazon Cloud Driveに保存した動画・写真の再生などが行える。動画はH.264で、解像度は最大1080p/60fpsまで。音声はAAC-LC/AC3/FLAC/MP3/WAV/Vobisに加え、Dolby Digital Plusの7.1chサラウンドにも対応する。

CPUはARM A9デュアルコアのBroadcom Capri 28155を採用。メモリは1GB RAMでストレージは8GBを内部搭載。通信機能にWi-Fi(802.11 a/b/g/n)、Bluetooth 3.0を搭載している。

特徴としては、Fire OSや Android OS搭載デバイス、iOSデバイスの画面ミラーリング機能、音声検索、そしてFire TVボックスと同様に「ASAP(Advanced Streaming and Prediction)」というユーザーの好みを予測して次に再生する動画をバッファリングしておく機能が搭載されている。

アマゾンは先週の決算発表において、2003年以来最大となる1億7000万ドルの損失を計上しており、今回のホリデーシーズン前の新製品で大きな賭けに出たようだ。米国での発売日は11月19日。Amazonプライム会員向けに、発表から2日間だけの特別価格(19ドル)での予約販売も行っている。

(山下香欧)