「ATEM 2 M/E Production Studio 4K」
Blackmagic Designの発表によると、男子ATPテニストーナメントのエルステ・バンク・オープン(ウィーン開催)にて、ATEM 2 M/E Production Studio 4KおよびTeranex 2D Processorを中心に構築した大スクリーンのビデオプロダクションシステムが使用されたという。
イベント制作を専門とするk-zwei Kommunikationは、放送局ORFによる試合のライブフィード、選手データ、ホークアイライン判定、ミュージックビデオ、観客の様子などの映像を組み合わせ、アンディ・マレーやダビド・フェレールなどの世界的プレーヤーが、ATPワールドツアー・ファイナルの座を奪い合う同トーナメントのライブプログラムミックスを制作した。
k-zwei Kommunikationのルネ・マリック氏は次のようにコメントしている。
マリック氏:Blackmagic DesignのATEM 2 M/E Production Studio 4Kは、今回のライブプロダクションにおける2つの主要な課題を解決してくれました。2つの課題とは、非常に多くの種類のビデオフィードに対応しなければならなかったこと、そしてエンベデッドオーディオを送信・ミックスする必要があったことです。ATEMスイッチャーは私たちのプロダクションキットに十分収まる大変コンパクトなものです。入力が20系統あるため、私たちに必要な柔軟性が実現し、ATEM Control Softwareでオーディオミックスにも対応できました。
ATEMの提供するプロ仕様のトランジションも、同ライブプロダクションにおいて重要な要素であったとマリック氏は言う。
マリック氏:トレーナーが試合の分析をしている時などは、ピクチャー・イン・ピクチャーなどのビジュアル機能が重宝しました。また、SuperSourceを使用して、スクリーン上の四角形の裏に隠れている映像を観客が予想するゲームなども行いました。これらの機能によって、私たちはクリエイティブなコンテンツを制作し、コートの試合映像に補足することができたのです。
k-zwei Kommunikationは、タイムキーパーからのスコアと選手データ、ホークアイのライン判定などもプログラムに取り込む必要があった。これらはともにアナログビデオであったため、Teranex 2D Processorを使用して信号がアップコンバートされた。プログラムミックスは、VJ再生システムにアップロードされ、スタジアム中の大スクリーンに送信された。
マリック氏:Blackmagic Designワークフローがもたらす柔軟性は、プロダクションを成功に導く重大な要素です。多くのソースを管理することは、それだけでも十分大変です。しかし、制作チームはさらに観客の情熱を読み取り、プロダクションを順応させなければならないんです。非常に難しい作業でしたが、Blackmagic Design製品を活用して、コート上で繰り広げられる見事なプレーをより素晴らしい映像として観客に届けることができました。