NG除去遅延システム「Air Cleaner」

米アベカスは今年も各パートナーブースにて、「Still Hot」なライブプロダクションサーバ2モデルとNG除去遅延システムを紹介する。

■放送用NG除去遅延システム「Air Cleaner」

Air Cleanerは、生中継に伴う突然の放送禁止用語や場面に備えるための、いわゆるNG除去遅延システムである。映像をマスキング、差し替え、およびオーディオのミュートやジャンブル機能を持つ。こういった機能を持つ機器は、ライブトークショーが盛んな米国では、万が一に備えて各番組スタジオに備えている。過去にあまりレビューに取り上げられたことがないが、製品が登場した2006年以来、猛スピードで各国の放送局が導入した経歴がある。米国58局のローカル放送局を運営しているシンクレアでは50台以上を傘下の局に配布し、中国では一家に一台レベルで取り入れた。マスキングや差し替え、遅延設定を事前に行っておき、NG時にパニックボタンを押して映像と音声の制御を行う。今年のInterBEEでも株式会社エヌジーシー社ブースにて実機のデモンストレーションが見られる(ホール2/No.2415)。

■ライブプロダクションサーバ「Mira」
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最大8チャンネルのビデオ入出力が1台で可能なライブプロダクションサーバはVTR代替えとして、またスローモーションができるスポーツサーバやインスタントリプレイとして使われている。多チャンネルのライブフィードとビデオ+キー素材を扱えるため、スタジオのオンセットディスプレイへの再生としても多く起用されている。最近では、ゴルフチャンネルやNFLスタジオの巨大スクリーンなど、4Kや8K以上のディスプレイに送出するケースも出てきている。今回は最新ファームウェア5.0を搭載し、インスタントリプレイでの新機能を備えた4チャンネル仕様Miraでデモンストレーションする。

■ライブプロダクションクリップサーバ「Tria」
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NABの米ソニー社ブース。MVSスイッチャとTriaの構成で紹介

クリップサーバTriaは、多様なファイルフォーマットのビデオクリップに対応できるのが大きな特徴。内部処理はJPEG2000。ビデオとキーを含め3チャンネル仕様のモデルを今回、ソニー/ソニービジネスソリューションブース(ホール3/No.3117)にて、マルチフォーマットスイッチャーMVSシリーズと組み合わせて紹介する。スポーツ中継放送やスタジオからの生放送を運用するライブプロダクションでは通常、クリップサーバに保存したアニメーション素材や、スタジオセットにあるディスプレイ用の素材をスイッチャ側にフィードする。ソニーMVSスイッチャと非常にレスポンスのよいインターフェイスを持っていることで、MVSスイッチャとインテグレーションされてオンエアで起用されている事例が多い。

(山下香欧)