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Adobe Creative Cloudを使って4K60p映像制作を紹介
同ブースで目を引いたのは、メインステージに設置された横8m、縦4mの4Kに対応した355インチの特大のLEDスクリーンだ。そのデカさと迫力は多くの人の注目を集めていた。そのメインステージでは、10月にアップデートされたAdobe Creative Cloud 2014の最新バージョンのユーザー事例講演が1日15回行われていた。もっとも興味深かったのは佐藤隆之氏と藤本ツトム氏による「インテル最新環境とAdobe Creative Cloudで実現する4K60p映像制作」だ。1秒間に1000コマ撮影できるPhantom Flex 4Kを使って4K60pの映像を短期間で制作するという講演で、インテルの最新環境とアドビのCreative Cloudの存在が大きかったということを紹介していた。
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Phantom Flex 4Kで撮影された剣道の映像
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紹介された剣道4Kワークフロー全体像。4Kで1秒間に1000コマ収録できるPhantom Flex 4K、6Kのフォーマットで収録できるRED DRAGON、4K HDの1秒間120コマのハイスピードで収録できるRED EPICの3つのカメラで撮影。この3つの素材を編集したのがAdobe Premiere Pro CC 2014。カラーコレクションにはSpeedGrade CC 2014。VFXと合成にはAfter Effects CC 2014。3D CGに関してはCinema 4D R16を使用。驚いたのはAdobe Premiere ProはネイティブでPhantom Flex 4K、RED DRAGON、RED EPICのRAWデータを混在編集できたとのこと。変換せずに撮ったらすぐにAdobe Premiere Proのタイムラインに並べて編集できたというのが大きかったという。
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編集とVFXの間でGoPro CineFormという中間コーデックを大活用したとのこと。今回の制作に使用したPCはインテルのDual 10-core Xeon@3.1GHz、DDR4 64GB RAM、インテル製のSSDを使用
製品デモコーナーで強化されたAdobe Creative Cloud 2014を体験
製品デモコーナーでは、Adobe Creative Cloudの新機能の紹介が行われていた。Adobe Premiere Pro CCのアップデートでもっとも大きい機能の追加は、GoPro CineFormと中間コーデックが新しくサポートされたことだ。アップルのProResと同じ立ち位置のもので、ProResはWindowsに対応しないが、GoPro CineFormはWindowsもMacも行き来できる。今後、中間コーデックの主流になりそうだ。
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新しく追加された「アルファ付きのGoPro CineForm」
今までAfter Effectsに付属するCinema 4D LiteはR14ベースだったが、2014年秋にリリースされたAfter Effects CCに付属のCinema 4D LiteはR16ベースに変更された。R16では、反射の機能が追加されてこれまで以上の質感を表現できるようになった。従来バージョンではカーペイントのような複雑な塗装みたいなものが難しかったが、こういったものも再現できるようになった。また、布をシミュレーションする機能がついて、デニムや絹の質感がシミュレーションできるようになった。
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これまで再現しにくかった車のラメ塗装のような光沢が再現できるようになった
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布のような表現も再現できるようになった
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