使用目的に合致した専用ドローンの設計開発から教習システム、メンテナンスなどを提供
プロ用映像のショールームやECサイト、映像・音響システム構築のシステムソリューションを手がけているシステムファイブは11月18日、「PRODRONE(プロドローン)」というブランドで産業用ドローンのコンサルティング販売やサービス提供を開始することを発表した。それに合わせて、InterBEEにPRODRONEブランドでサービスの概要や専任スタッフによる導入相談、カスタマイズ相談などができるブースを出展した。
PRODRONEブランドを立ち上げるきっかけは、プロ用映像機器を扱っている都合上、ドローンによる空撮に関する問い合わせが増えてきたことだという。しかし、ドローンの取り扱いを開始しようとしても、最近はドローン墜落事故といった悪いニュースも多くなってきていた。そこで、システムファイブでは安全対策を徹底したPRODRONEブランドを立ち上げてサービスを提供することになったとのことだ。
PRODRONEの特徴は、産業用ドローン開発大手のケイアンドエスと業務提携をしたことだ。ケイアンドエスは1988年に名古屋で創業したRCヘリコプターメーカーで、RC業界で「K&S」「Sugaki」の名を知らない人はいないといっていいほど有名なブランドだ。現在、実際に日本で運用されている産業用ドローンの多くはケイアンドエスがそのノウハウを提供、またはケイアンドエスで設計製作されたと言われるほどだ。ケイアンドエスによる高度な技術ノウハウを用いて操縦者側のニーズに合わせてドローンを設計、製作するというのも見逃せないところだろう。PRODRONEでは、「重いものを飛ばしたい」「より遠くに飛ばしたい」「長い時間を飛ばしたい」といった操縦者側のニーズを聞いて、ケイアンドエスにフィードバックをする。ケイアンドエスでは、その要望を実現した機体をカスタマイズして納品が行われるということだ。
PRODRONEは、安全面の実現という部分でも斬新だ。PRODRONEは注文を受ければ誰にでも販売するというわけではなくて、基本的には一定の基準をクリアした法人に限定して販売を行うという。また、販売が決まった時点で、損害賠償責任保険への加入をしたり、管理者への一定期間の飛行、安全に関する講習の受講といったトレーニングや、飛行ログに基づく定期保守メンテナンス契約の締結など、様々な安全対策を徹底した上でサービスを提供するという。最後にブースのスタッフはドローン業界の期待をこめてこう語った。
「産業用ドローンというのは、空撮であったり災害といった現場でずっと昔から使われています。そういうすでに産業として活躍している人たちがいる中で、ここ数年のドローンの価格の低下がきっかけで参入をしてきた人たちが事故を起こし、業界全体に迷惑をかけてしまってはいけません。今、ドローンやマルチコプターに注目が集まっていますが、特に安全性を考慮して扱わなければいけないと思っています。それがこの業界を大きくしていくか、縮小していくかという分け目になると思います」
ブースには、ケイアンドエスのドローンが3台展示されていた。1台は6枚羽のタイプ。この機体は御岳の災害のときにも実際に飛んで、学術的な記録をとった機種だという
もう1台は10kgの荷重に対応する機体で、12枚羽という仕様のもの
軽量カメラ用の機体。飛行時は脚が閉じ、着陸時はカメラが着地の際に地面に接触しないように脚が出るという