プレスカンファレンス動画編

今年は「Beyond Definition ともに創る。ともに進む。」をテーマに

InterBEE開催初日、ソニーはプレス向けに発表を行った。今年は「Beyond Definition」をテーマにファイルベース、ライブ、4Kの3つを柱にし、将来に向けてのキーテクノロジーとしては、4K/HD高画質ビデオフォーマットXAVCやIPを中心としたネットワークメディアインターフェースによるシステムの簡素化、光ディスク技術を核とした商品開発を行う予定だという。また、XAVCは4Kをマイグレーションするフォーマットとしてすでにある4Kを中心としたSRMASTERやHDを中心としたXDCAM HDやNXCAMをブリッジするフォーマットとして位置づけている。

XAVCに対応したカメラなどの収録機器のラインナップはすでにかなり充実しているが、今回新製品として柔軟な撮影スタイルに対応するPXW-FS7やENGカムコーダーPXW-X500のほか、PXW-X70、PXW-X180/X160、PXW-X200がラインナップに加わり、ハンディカムのラインナップが刷新されたと発表した。ソニーではXAVCを収録、編集、送出、アーカイブといった放送業務に係る一連のワークフローに共通して利用できるフォーマットとして推進していくようだが、次のステップである8Kに関しては発表後の質問にも明確なタイムテーブルについての回答はなく、今後の同社の行方に注目したい。ただ、すでに総務省が放送に向けてのスケジュールを発表しているほか、同業他社も8K製品に関して参考出品を初めていることから、すでに社内では開発が進んでおり、8Kの標準化を待って一気に製品を投入していくという戦略なのかもしれない。

4K制作機器のラインナップ拡充としてオプションにより既発売のPMW-F55/F5をEFPスタイルとし、新たにマルチパーパスカメラPXW-FS7を加える事で、様々な制作ジャンルに対応させ、更に有機ELのマスターモニターBVM-X300を加えることで、4K制作環境はひと通りそろった感があるが、ビジネスとして確実に利益になる製品を投入し、8Kへの対応を含めて冒険はしないという経営的な判断もあると思われる。昨今の同社の業績を考えると、無理からぬ方向ではあるが、過去ソニーの製品開発の流れからすると保守的になってしまったようで、残念に感じるのは筆者だけではないだろう。

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将来に向けてのテクノロジー

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今年のInterBEEソニーブースのコンセプト

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4Kマイグレーションをも可能にするXAVCフォーマット

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XAVC対応機器を更に拡大

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XAVCワークフローの確立に向けて、昨年32社から69社へ増えXAVCによる編集対応が充実した

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4K制作機器のラインナップ拡充

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新しい周波数帯域に対応したデジタルワイヤレスマイクロホン