「FOR-A for a 4K Future」をサブテーマに掲げ、スイッチャーやカメラ、周辺機器などの4K対応製品を積極的に展開している印象だ。FT-ONEでカメラメーカーにもなった同社だが、今回新モデルが登場した。FT-ONEも4Kの高速度カメラでちょっと特殊な領域のカメラだったが、今回新製品として出展されていた物も防水仕様となっており、Only ONEを狙っているようだ。スイッチャーや周辺機器などとしては歴史が長い同社だがカメラは後発のため、こうした特殊な領域を狙ったともいえるが、このカメラの出現によって中継などで夕立が急に降ってきたりして慌ててレインカバーをかぶせるといった心配もなくなるのかもしれない。
朋栄のスイッチャーHANABIシリーズはミドルクラスのスイッチャーとして不動の地位を築いているといえるが、今回4K対応のHVS-XT2000が新たにラインナップに加わった。これに合わせてかルーティングスイッチャーMFRシリーズも64×64モデルが新たに追加された。4K/HD/SD/アナログ/PC信号の混在入力に対応したマルチビューワMV-4200や4K(QFHD)対応のフレームレートコンバーターFRC-9000、4K対応キャラクタジェネレーターVWS-4K、InfinitySetなど国内初披露の4K対応が多数出展された。ブース内には以前もあったが、ワークフローに合わせて実機をはめ込んだパネルがあり、現在では数も増えほとんどが自社の製品で埋まるまでになっている。
4Kワークフローの実機をはめこんだパネル展示。スイッチャーを中心としてほぼ全てが自社の機器で埋まり、写真掲載の他社の機器はほとんどない
水槽の中で水を浴びているのがFT-ONE Sのカメラヘッド。ヘッド部分は180☓197☓290mm、質量5.5kgで本体とは一般に中継で使われている光ケーブルを使用可能。4Kで最大360fpsの撮影に対応し、リモコンなどはFT-ONEと同じものが使える
4K対応スイッチャーHVS-XT2000。2M/E+4 MELite“with FLEXaKEY”による6 M/E相当の機能をもつほか、各M/E列に2.5D DVEを4系統(合計8系統)、3D DVEを2系統(合計4系統、オプション)搭載可能。入力は標準24入力、出力18でオプションで32入力32出力まで拡張可能となっている。なお、全ての入力にはフレームシンクロナイザーが標準装備されている
バーチャルスタジオシステムInfinitySet。eStudioとEasySetの組み合わせにより高機能でシンプルな操作性を実現するという。センサー連動の高度なシステムからセンサーレスシステムまで幅広く対応できるよう設計されたリアルタイム3Dグラフィックシステム。異なる地点の人物合成や過去に記録された映像に人物を合成またはその逆などが可能
バーチャルスタジオシステムInfinitySetの操作画面
参考出品となっていたInfinitySetのバーチャルプロセッサーVRP-100
マルチフォーマット対応マルチビューワMV-4200。3G/HD/SD/アナログ/HDMI/DVI/RGBHV混在入力に対応したマルチビューワで最大68入力8出力に対応。オーディオレベルやAFD対応クロッピング機能などを装備しているほか、タリー、タイトル、タイムコード、時刻、タイマー、ロゴ、背景表示などが可能
レイアウトエディタでは直感的かつ容易な操作が行える。写真は各入力を画面内のどの位置にどのくらいの大きさに表示するかを設定しているところ
高感度カメラHBC-3600(フローベル)。近紫外~近赤外までの幅広い分光感度特性を持ち、最低被写体照度0.003Lxでのカラー撮影を可能にしている。2/3型2板式でB4マウントレンズに対応