4K収録は ProRes 444やProRes 422に対応、AJA RAWの出力も可能
CIONについて話を聞かせて頂いたAJA Video SystemsのプロダクトマーケティングマネージャーAndy Bellamy氏
アスクは、1つの敷地内にAJA Video Systems、アスク、GB Labs、ディストームの4つのブースを設けて合同ブースとして出展していた。その広いブースの中でも特に力を入れて展示が行われていたのは、フル4K、Ultra HD、2K、1080 HDの撮影に対応した4Kプロダクションカメラの「CION」だ。ブース前面にステージを設けて4台のCIONの実機を体験できるようになっていた。CIONの特徴は、非常に軽くて人間工学に基づいて作られているところだ。CIONの本体はマグネシウム製で、軽量かつ非常に高い強度を実現している。
CIONの実機。手軽に肩に背負って、すぐに使えるデザインも特徴だ
撮影現場でのバックアップとモニタリングワークフローというところでもよくできていて、フル4KとHDが同時に出力可能。これは今までのカメラにない仕組みだ。記録メディアはAJA製SSDベースのPakストレージで、容量は256GBと512GBの2種類用意されている。4K 60pに関してはProRes422であれば内蔵SSDに収録可能だ。444の場合は30pまで。2KやHDは当然444 60pまで可能だ。
ブースにはCIONの実機が4台用意されていて、実際に体験できるようになっていた
CIONはAJAのカメラらしくProResで収録するという概念でできているが、RAWを望んでいるユーザーに関してはAJA RAWを4系統の3G-SDI出力すこともできる。3G SDIを4つ経由で、AJA RAW 120pまで出力が可能だ。AJA RAW 30pまでならばThunderboltコネクタから出力できる。CIONが特に他社のカメラと違うとことは、内蔵処理が12ビット4K 444ですべて行っているところだ。「これは世界唯一の機能。うちしかできない」とアピールをしていた。また、電子グローバルシャッターを搭載していて、フィルターのほうも光学ローパスフィルタ (OLPF) と IRカットフィルタ (混合)が標準でついてくるというのもポイントだろう。
CIONの注文受付を開始。出荷開始は12月末を予定
CIONのユニークなところは、オープンデザインという思想でできているところだ。専用のポートというのは使わないという意味で、すでに市場にある周辺機器やケーブルに対応するようにできている。例えば、チーズプレートのほうも上下どちらも標準でできていて、M6ロゼットのほうも準備されている。BNCのほうは、ミニやマイクロではなく、標準のBNCを搭載している。
レンズのマウントはPLマウントを採用。デモ機にはZeiss Compact Prime CP.2 35mm/T1.5が装着されていて体験可能だった
レンズマウントに関しては、PLマウントが採用されている。マウントは取り外しが可能になっていて、サードパーティからEFマウントやB4マウント、ニコンのFマウントのマウントが準備されている。
カメラはリモートで制御することができて、Ethernet経由でWebブラウザのほうで、すべての機能を制御したり調整したりすることができる。注目の発売時期だが、Inter BEEの初日の11月19日、AJAはCION注文受付を当日より開始することを発表した。出荷開始は本年12月末を予定しているとのことだ。
CIONに採用されているオーディオやビデオ接続はすべて業界標準のもの。ビデオ出力は標準のBNCコネクタで、オーディオ入力はXLRコネクタが採用されている
背面にThunderboltコネクタが搭載されていて、最高30fpsのAJA RAWを出力できる
CIONのLANポートとMacを接続すれば、すべての機能をMacから操作することが可能だ