来年で50年を迎えるパナソニックの音響機器ブランド“Technics(テクニクス)”が、ヨーロッパで先行して復活する。それもハイレゾ音楽ダウンロードサービスとしてだ。

Technics Tracks」と名付けられたサービスでは、24bit FLACでエンコードされた数万トラックを提供する。中には数千曲ほど、24bit/192kHzサンプリングレートも揃っているという。これらをカバーするようにCD品質の曲が数百万本ほどライブラリに並ぶ。サービスは来年1月からドイツと英国で始まる。開始から数か月で、より高解像度のトラックを追加していく予定。

Technics Tracksサービスは、PCやMacからだけでなく、AndroidやiOSのプラットフォーム用のアプリケーションからアクセス可能。サービスで購入したタイトルはクラウドロッカーにて保存され、複数のデバイスで再生できる仕組み。サービスのプラットフォームは英7Digitalが構築する。

ハイレゾ形式には、非圧縮またはFLACのような可逆圧縮や、Appleロスレスフォーマットなどが採用されており、今回のサービスではCD品質(16bit/44.1kHz)を超えた24bitで提供されるため、大容量ファイル再生に対応できる機器であれば、非常に高品質の音質が得られることが期待できる。

パナソニックは9月にドイツで開催されたIFA2014にて、Technicsを復活させることを発表していた。ReDiscover Musicを掲げ、新たに投入するのはリファレンスシステムの「R1シリーズ」と、プレミアムシステムと位置づけられた「C700シリーズ」の2シリーズ7機種。ヨーロッパで12月から、そして国内でも2015年2月から順次発売する予定だ。今回のダウンロードサービスに着手するのも、「全世界の音楽を愛する人に届けたい」とする、同社の一大プロジェクトの一環とされる。

(山下香欧)