ソニーPMW-F55での運用も可能なMoVI M15が登場

注目の新製品はFreeflySystemsのMoVI M15だ。MoVI M10はカメラの許容重量が5.44kgだったが、MoVI M15になって6.8kgになった。また、ロットが長くなって奥行きのあるカメラでも乗せられるようになり、PMW-F55といったクラスのカメラも乗せられるようになった。MoVI M15の登場によってオペレートに合わせたMoVIの選択肢がさらに増えたといった感じだ。

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PMW-F55にも対応するMoVI M15

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MoVI M15では奥行きへのロッドが長くなり、PMW-F55などのカメラにも対応できるようになった

NHKエンタープライズ製の4K制作支援システム「NEP infini」

ColorFrontのグレーディングとトランスコードを行うソフトウェア「TransKoder」と、データ管理機能を備えた「NEP infini」(ネップアンフィニ)を組み合わせた4K制作支援システムの実演デモンストレーションも行われていた。今年4月のAfter NABなどでは「MASAMUNE」のような名称で展示されていたが、現在はNEP infiniに改称されて展示されていた。4K素材を高速に2Kに変換して、プライマリグレーディングや4Kフィニッシュまでトータルにマネージメントできるというものだ。

コンセプトは、4Kでも従来のテレビのワークフローの中で制作を行うということだ。ただ、4K制作を従来のワークフローで行うためには容量が大きく数も多いファイルの管理、RAW形式のデータを効果的に使うためのカラー管理など、4K特有の要素を効率的に管理する必要になる。そこで、NEP infiniを導入することによって、収録メディアの管理からカラー管理、各種編集ソフトからの編集データの管理、映像アーカイブのためのデータベースなど、全体の連携をスムーズに行えるようになるというものだ。

NEP infiniのワークフローは、4Kカメラで撮影してきた素材をNEP infiniに入れて、メタ情報を管理する。ファイル単位でカット内容などメタデータを入力することができて、ここでさまざまな情報を載せた状態で書き出す。それをTransKoderで読み込み、TransKoder上でプレグレーディングを行い、4KからHDにダウンコンバートしてオフライン編集を行う。オフライン編集をしたものを再びNEP infiniに戻して、プライマリグレーディングを行い、最後にHDで編集をしたデータをそのまま4Kでも同じものを書き出すことが可能といった流れだ。

また、TransKoderはレンダリングが非常に高速というのも特徴だ。例えば、ドラマの制作などで、「毎日素材がやってきて次の日にはメディアを返さなければいけない。コピーもレンダリングも早くしなければいけない」といった現場にこのシステムは有効だろう。現在のところ、NHKエンタープライズと取引のあるところでの導入が多いというが、今後はそれ以外のところにもアピールしていくという。

InterBEE2014_RAID_04 NEP infiniとTransKoderの4K制作ワークフローの展示。Mac Proとディスプレイ、パナ

ソニックの4Kモニター、ストレージはpromiseのPegasus、コントロールパネルを使ったシステムとなっている

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こちらが4K制作ワークフローの流れのイメージ

オールインワン22インチタッチパネルコントロール方式ビデオアシスト「SmartAssist」

「SmartAssist」は、スペインのレンタル会社「OVIDE」がレンタル用に自分たちで開発した商品だ。22インチのタッチスクリーンモニターに、ビデオアシストソフトの「QTAKE HD」が入っていて、タッチパネルで操作できるようになっている。背面には、SDIコネクタ、USB 3.0コネクタなどハードウェアをシステム化している。今まで、MacBook ProとブラックマジックデザインのHDLink、スイッチャーとミキサーなどをいっぱい抱えて現場に行っていたものが、SmartAssist1台で対応できるようになるのが特徴だ。もちろん、カメラレックをしたものをSmartAssistに保存することもできるし、クリップを選んでイン点とアウト点で選んでもらってインサートといった簡易編集も可能だ。また、クロマキーやマスキングといったことも可能だ。電源はACのほかに、バッテリーで駆動することも可能だ。バッテリーは2基装着が可能で、ホットスワップにも対応する。

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Smart AssistはQTAKE HDのシステムにコンピューター、キャプチャカード、22モニターが1つになったシステムだ

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こういったクロマキーもSmartAssistで可能だ。また、DaVinci Resolveで作ったLUTを読み込めたり、QTAKE HDで作ったLUTもDaVinci Resolveで読み込むことが可能だ

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バッテリー駆動も可能。2基のバッテリーが装着可能で、ホットスワップで動作できる

SmallHDのフィールドモニターを全機種展示

SmallHDの全ラインナップ6種類が展示されていた。7インチのプロフェッショナル仕様モデルのDPシリーズが3機種で、LUTを作ったりルックを作ることができたり、タッチパネルに対応しているのも特徴だ。DPシリーズには、4.3インチのMoVIにもっとも使用される軽量モニターもある

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上段がプロフェッショナル仕様モデルのDPシリーズが3機種。下段の右と中央がACシリーズで、左がMoVIにもっとも使用されている軽量モニター

非圧縮リアルタイムワイヤレスモニタリング「Paralinx」

Paralinxのワイヤレスモニタリングが3種類展示されていた。1つが、スティックタイプの「Paralinx Arrow」で、使用可能距離は91メートル。もう1つが、「Paralinx Arrow-X」で、使用可能距離は215メートル。3つ目は一番飛ぶのが特徴の「Paralinx Tomahawk」で使用可能距離は600メートルとなっている。

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HDMI対応のスティックタイプの「Paralinx Arrow」

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SDIのHDMIに対応する「Paralinx Arrow-X」

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こちらもSDIのHDMIに対応して600メートルまで可能な「Paralinx Arrow-X」

HEDENのフォローフォーカスシステム「CARAT Follow Focus」

HEDENは50年近い歴史があるモーターギアメーカーだ。歴史のあるメーカーが作ったフォローフォーカスゆえに、動きがスムーズなのが特徴だ。また、技適が取れていて問題なく使用することができるのもポイントであろう。

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小型で軽量のワイヤレスリモート「CARAT Follow Focus」

Flowcineのスプリングアームやジンバルを展示

Flowcineは2製品展示されていて、1つが2軸スプリングアームの「SERENE」だ。MoVIと組み合わせて実演が行われており、縦振動を軽減するという形で紹介されていた。もう1つは2軸カメラジンバルの「GRAVITY ONE」だ。ALEXAのような重いカメラもジンバルで制御しながらバランスよく撮ることができるというもの。

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SERENEは2軸のスプリングアームで、歩行などによる縦軸の振動や誤差を安定化することができる

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GRAVITY ONEは2軸のカメラジンバルで、ALEXAやPMW-F55、RED DRAGONといった機種にも対応できるのが特徴