米ドルビーは、次世代シネマ体験ができるプレミアム・シネマ「ドルビーシネマ」をデビューさせた。同社の最新技術を組み込んだ映画館内全体で新しいシアター体験をしてもらうもの。

ドルビーシアターのウォークスルー

テレビや映画コンテンツにおいて超高精細やHFRなど、技術革新の飛躍力がみられる中、忘れられがちだった映画館自身のアップグレード。すでにドルビーが展開している、オーバーヘッドスピーカーと空間マッピングで包み込む7.1chのシネマサウンド「Dolby Atmos」と、HDRプロジェクションのプラットフォーム「Dolby Vision」の技術と組み合わせ、今までにないシアターでの映画視聴体験を提供する。

最初のドルビーシアターは、オランダに新しくできるJT Eindhoven(JTアイントホーフェン)シネプレックスにて登場する。クリスティ・デジタル・システムズと、映像システム構築などに関わるウシオ電機の米国支社と一緒に構築したという。

JT Bioscopenが運営する新しいシネコンJTアイントホーフェンは12月15日にオープン予定。8スクリーン、1546席を有する。ドルビーシネマの技術パートナーであるクリスティのプロジェクションシステムで4K、ハイフレームレート2D、ドルビー3Dを投影できる。 そしてDolby Atmosサウンドが、クリスティViveオーディオシステムでシアター空間を包み込む。JTアイントホーフェンのシアター設計では、ドルビーの科学者、クリエイティブチーム、そして音響専門家が結集し、観客を映画の旅に連れて行くようなデザインに創り上げたという。

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施設内では、オーディオビジュアルな通路を通ってドルビーシアターに入る。通路脇のソフト照明から、目の前に現れるスクリーンに浮かび上がるドルビーシアターのロゴ、Dolby Atmosによる立体音響を身体で受けながら、自分のプレミアム席へと着く。

ドルビーは、この超プレミアムシネマティック体験ができるシネコンが来年以降、各国の都市のメジャーな映画館にて展開されることを期待している。

2015年にDolby Atmosに対応した映画タイトルは、1月にリリースする「Tadeo Jones 2(スペイン、1月1日リリース)」や「アメリカン・スナイパー(米国、2月公開)」を皮切りに16作品が予定されている。Dolby Visionに対応した映画タイトルはまだ明確になっていないが、2015年早い時期に登場する予定。

Dolby Vision

(山下香欧)