有機ELパネルを搭載した30型のマスターモニター「BVM-X300」

ソニーは、同社の業務用有機ELマスターモニターの開発に携わった社員4名が、映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and Sciences: AMPAS)より科学技術賞を受賞したことを発表した。授賞式は、米国・カリフォルニア州のビバリーヒルズにて2015年2月7日(現地時間)に開催される予定。

■受賞者
  • プロフェッショナル・ソリューション事業本部
    ビジュアルプレゼンテーション・ソリューション事業部設計3部
    筒井 一郎氏
  • プロフェッショナル・ソリューション事業本部
    ビジュアルプレゼンテーション・ソリューション事業部設計3部
    武 昌宏氏
  • デバイスソリューション事業本部イメージセンサ事業部ディスプレイデバイス2部
    田村 光康氏
  • デバイスソリューション事業本部イメージセンサ事業部ディスプレイデバイス2部
    浅野 慎氏

2011年5月に発売した業務用有機ELマスターモニターは、自発光方式ならではの忠実な黒、100万:1以上のコントラストとともに、動画ブレや残像が少ない応答性や正確な色再現などを実現。またパネルに搭載した同社独自開発の専用プロセッサーにより、有機ELパネルの性能をマスターモニターのスペックまで向上させるとともに、ユニフォミティー(画面全体の色表現の均質化)や経年変化の補正制御により、長期信頼性を高めているとしている。

有機ELパネルには同社独自の「Super Top Emission(スーパートップエミッション)」構造のフルHD(1920×1080)有機ELパネルを採用。有機ELパネルの上面から光を取り出すトップエミッション構造により、高輝度な画像を表示可能だ。また、マイクロキャビティ構造とカラーフィルターによって色純度を高め、さらに高いコントラストを実現しているという。

映画芸術科学アカデミーは今回の授賞理由として、「正確で広色域のモニターは、編集工程で求められる映像を正確に再現できるため、撮影現場においても自信を持ってクリエイティブなイメージを決定できる」ことを挙げている。