Googleもいよいよ宇宙プログラムへ参画する。同社はイーロン・マスク氏の4,000衛星プロジェクトSpaceXに10億ドル(約1,860億円)を投資したことがSpaceX社の発表で明らかになった。Googleが過去にもプロジェクト・ルーンといったベンチャープロジェクトを立ち上げており、今回の莫大な投資も業界では異論皆無といったところだ。

プロジェクト・ルーンは2013年に立ち上げたバルーンで世界のインターネットが使えない地域にもネットをつなげようとするプロジェクト。今回の衛星に関しても同様の目的ともうかがえる。また昨年6月には、衛星画像会社Skybox Imagingを5,000万ドル(593億円)で買収している。

Googleはフィデリティ・インベストメンツ社と共同で10億ドルを出資する。これはSpaceX社株式の10%となるという(つまり、SpaceX社は1兆円規模企業になる)。既存の投資企業、ファウンダーズ・ファンド、ドレイパー・フィッシャー・ジャーベットソン(DFJ)、バロール・エクイティ・パートナーズ、カプリコーンベンチャー・パートナーズに加わった形だ。

Facebookも、無人飛行機や衛星、レーザーを使ってインターネット未開拓な地域にサービスを提供しようと各種のプロジェクトを進めている。そしてクアルコムとヴァージングループでもWorldVu衛星に投資をしており、Googleの衛星事業への参画は競合的な存在を意識させるものである。

SpaceXの最終的ゴールは、マスク氏の挑戦“人類を火星に移住させる=火星の開拓”になるが、つい先週に米シアトルで開催された新SpaceXオフィスの記念イベントでの登壇で、世界中にインターネットを提供できる通信衛星のネットワークを構築したいという意思を述べている。

(山下香欧)