キヤノンがスウェーデンを拠点としているネットワーク監視カメラメーカーのAxis(アクシス社)の買収に乗り出していることが明らかになった。同社はアクシス社の発行済普通株式の全株を対象とした公開買付けを実施し、連結子会社化を目指す。買収額は236億スウェーデンクローネ(約3,337億円。アクシス社の全発行済普通株式を買付価格340スウェーデンクローネで取得した場合)。3月初旬からTOB(株式公開買い付け)を実施する。

声明文によると、本公開買付けは友好的に進んでおり、アクシス社の取締役会ではキヤノンによる買い付けの応募をアクシス社株主に推奨することを決議し、既にアクシス社創業者を含むアクシス社の上位3株主からは、買い付け応募に同意を得ているという。上位3株主では、アクシス社株の約39.5%を保有している。

遠隔地に設置したカメラをネットワークでつないで監視する、いわゆる映像監視・防犯セキュリティシステムの市場は近年急成長を続けている。市場調査会社HISやTSR(テクノ・システム・リサーチ)によると、ネットワークカメラの世界市場は2018年まで年平均20%程度成長していくという。

キヤノンは2011年からの5か年計画で「グローバル優良企業グループ構想」を掲げており、主要経営指標のすべてが世界トップ100に入ることを目指している。キヤノンヨーロッパは昨年、オランダにあるビデオ管理ソフトウェアの世界最大手企業マイルストーンシステムズ社(Milestone Systems A/S)を買収しており、グループ全体でネットワーク監視カメラ事業を企業成長の原動力として市場ポジションの確保を急ぐ。

(山下香欧)