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Blackmagic Designの発表によると、ハリウッドのInhance Digitalが、NBCのロングラン・ヒットシリーズ「Grimm」のVFXにFusion Studioを使用しているという。Inhance VFXは、「Grimm」などVFXを多用するプロダクションにおいて、フルCG環境から高品質なグリーンバック合成まで、様々なサービスを大手スタジオに提供している。Fusion Studioは、Inhance Digital VFX部門の主軸を担う合成ツールだ。

「Grimm」は、著名なグリム童話からのインスピレーションをもとに制作されているドラマ。主人公の殺人担当刑事ニック・ブルクハルトはグリム一族の末裔で、魔物の姿が見えるという設定だが、毎週の制作では、魔物へと変貌する人間とブルクハルト刑事による闘いのシーン用に、膨大な量のCGとVFX作業が要求される。Inhanceは「Grimm」の過去4シーズンでVFX作業を手がけている。

「Grimm」のVFXショットの制作・管理を担当するのは、Inhance VFXのスーパーバイザー、エディ・ロビソン(Eddie Robison)氏。同氏は、1996年に「スタートレック:ヴォイジャー」の制作で初めてFusionを導入し、その後も「CSI:マイアミ」などの番組でFusionを継続的に使用している。

ロビソン氏:「Grimm」は、CGの複雑さと作業の量という意味で、私たちにとって最大のクライアントです。同作では、俳優たちが魔物に変身するシーンを多く手がけています。魔物の3Dエレメントを構成する複数レイヤーの3Dトラッキング情報を担当部門から受け取り、Fusionに取り込んで合成を行いました。Fusionは、俳優の顔に付けたトラッキングドットの除去や衣装のロトスコープなどの準備作業、さらにはCGエレメントの複雑なレイヤーやブレンド作業まで対応しているので、説得力のある、写真のようにリアルな生物を作成できます。

私たちは、3Dからの様々なレンダーをアルファチャンネル付きのイメージとして読み込んだだけでなく、.exrファイルフォーマットから他のエレメントも読み込み、メタデータ、UVデータ、Zデプス、ワールドポジションデータなどのデータにもアクセスできるようにしました。これらの情報にアクセスできたことは、非常に大きな意味がありました。

「Grimm」では、Fusionのノードは完璧に機能しました。ノードを使用する作業は、私にとって非常に分かりやすいものでした。メインのフローウィンドウでは、編集の初めから終わりまで、間にあるものをすべて明確に確認できます。さらに各ノードの接続を自由に変更できるので、独自の編集が簡単に構築できるんです。タイムラインベースのソフトウェアでは制限があり、特定の方法でしか作業ができません。

その他にもInhanceの「Grimm」における作業を助けたのが、Fusion Studioのスクリプト機能だったという。

ロビソン氏:Fusionのスクリプト機能は、本当に役に立ちました。私たちには、合成作業が終わった後に使用するスクリプトがあります。このスクリプトは、レンダリングとリサイズを実行し、ショットの先頭にスレートを追加して必要なフィールドをすべて自動で埋めます。さらにメタデータを保存してスレートに追加するので、スレートにはデータとイメージシーケンスが含まれます。そしてクライアントの要件に合うQuickTimeファイルを作成し、ファイルはレビューフォルダーに移動され、デイリーとして使用できます。アーティストたちの時間を大幅に節約できるので、そのまま会社の利益にもつながります。