© Elena Volotova(EBU)
Blackmagic Designの発表によると、オーストリア・ウィーンのWiener Stadthalleホールにて開催された欧州放送連合(EBU)主催の音楽コンテスト「ユーロビジョン・ソング・コンテスト(ESC)」にて、イベント会場の全ての信号配信に6台のBlackmagic Design Smart Videohubルーターを組み込んだSDIベースのライブプロダクションワークフローが使用されたという。
ヨーロッパ全土を盛り上げるこの祭典は今年60周年を迎えた。同イベントのオーディオビジュアルインフラは、ウィーンに拠点を置くライブイベントのスペシャリストConcept Solutionsによって構築され、多目的屋内アリーナの各所に設置された125台以上のモニターおよびスクリーンへとHDビデオ信号が送信された。
60ヵ国の代表者が、2時間の生放送でのパフォーマンス権を賭けて戦うメインのステージホールだけでなく、同イベントではメディア、バックステージ、ケータリング、審査員、VIP、公式ESC代表団用にもホールを用意する必要があった。参加者たちが常に最新の状況を把握できるよう、これらの各ホールには複数のディスプレイおよびスクリーンが設置され、Smart Videohub 12×12および20×20が、各セクションに映像信号を届けた。プロダクションハブにより作成された3系統のビデオチャンネルがスクリーンに送信された。さらに、100台以上のBlackmagic Design Mini Converter SDI to HDMIが会場のSDIインフラに設置された。
Concept Solutionsのフロリアン・ウェバー氏は、複数のビデオルーターの使用に関して、次のようにコメントしている。
ウェバー氏:ホールベースの施設でイベントを行う場合、目的の面でも場所の面でも、各セクションがはっきりと別れています。つまり信頼性の高いフェイルセーフなオーディオビジュアル・ワークフローを採用してホール間でのバランスを取る必要があるのです。ESCでは数週間に渡ってリハーサルとパフォーマンスが繰り広げられますが、この期間中ずっとパーフェクトな動作が求められます。ルーターを各ホールに割り当てたことで、シンプルかつ明確な配信構造を実現でき、ライブプロダクション中になんらかの問題が生じた場合でも迅速な対応が可能となったのです。このSDIインフラにより、今回の会場で、業界標準を満たす信頼性の高い信号パスを確立できました。
© Elena Volotova(EBU)
ウェバー氏:またエリアごとに、この部屋の人にはどのような情報が必要か、ということがはっきりとしていたので、彼らが見ることのできるコンテンツを各ニーズに応じて調整することができたのです。例えばメディア控え室にはメインホールで行われているイベントをリアルに伝える必要がありますが、バックステージのエリアの人々には、イベントがスムーズに進行するよう、より多様な情報とエンターテイメント要素を伝える必要があります。私たちはこれまでに多くのライブイベントでSmart Videohubを使用していたので、今回のような大掛かりな祭典のステージでもSmart Videohubが最適な選択肢であることを確信していたのです。