英国では衛星事業者Skyが4Kテレビサービスの先駆者として見られるが、OTTサービスのNeflix、そして今回英国最大手テレコム事業者のBTがヨーロッパ市場初のIPTV商用サービスとして登場する。
BTが8月から4KチャンネルBT Sport Ultra HDを開始する。来月8月2日に行われるFAコミュニティ・シールドマッチ(チェルシー対アーセナル戦)が最初の放送となる。既存のBTテレビサービスおよび光ブロードバンドサービスBT Infinityの加入者であれば、追加料金なしで観られるようになる。UEFAチャンピオンズリーグ、FAカップ、Avivaプレミアシップ・ラグビー、NBAなどを年間通して毎週中継放送する予定。
4Kチャンネルを観るには4K対応スマートTVのほか、4K対応の専用セットトップボックス(STB)に切り替える必要がある。新4K STBの仕様については開示されていないが、現行同様のHumax製のSTB「YouView+」の新型となり、既存の2014年型DTR-T2100の倍にあたる1TBハードディスク搭載型であるようだ。回線帯域として15Mbpsは最低必要。
BTおよびBTスポーツは4K収録および放送実験を積み重ねてきた。最近においてはアストンヴィラFAカップの準決勝戦で、限定した一般家庭をモニターとして試験放送を行っている。
BTスポーツはHD/UHDプリおよびポストプロダクションにタイムライン・テレビジョンと複数年契約を行い、そしてソニー、テレジェニックと提携して4K中継のノウハウを確実なものにしていくという。タイムラインがBT4Kチャンネルの開始に合わせてデビューさせる新UHD対応中継車「Dubbed UHD-1」は全長12メートルと大型なもので、新型ソニーHDC-4300カメラが12台、フジノンのUHD 2/3“80:1ボックス型と22:1ENGレンズを揃えており、これら最新カメラ+レンズのオペレーションと中継のワークフローの実践は、5月のAvivaプレミアシップラグビーの決勝戦で行われた。当時はこれら新カメラにPMW-F55を追加して運用している。
Dubbed UHD-1。社内には、Snell Kahuna UHDビジョンミクサーやSiriusルーター、ソニーPWS-4400サーバーなどが搭載、そしてAxonシグナルプロセッサー、コントロールシステム、EVS XT3サーバーにグラスバレーのKaleidoマルチビューワーシステムで構築されている
(山下香欧)