Blackmagic Designの発表によると、ポストプロダクションスタジオDigitalFilm Treeが、ABCのTVドラマ「溺れる女たち ~ミストレス~」のカラーコレクションにDaVinci Resolveを使用しているという。DigitalFilm Treeは、ポストプロダクションワークフローの一環として、番組のすべてのデイリーをLAオフィスからリモートグレーディングすることで、これまで2日かかっていた作業を8時間で行うことが可能になったという。

「溺れる女たち ~ミストレス~」は、友人である4人の女性たちがそれぞれの方法で自分の道を切り開き、自己発見する様を描いたABCの人気ドラマ。同番組は、現在3シーズン目となるが、ロサンゼルスに拠点を置くDigitalFilm Treeが、リモートでの最終的なカラーコレクションなど、すべてのポストプロダクションを番組開始当初から手がけている。

6月より放映されている「溺れる女たち ~ミストレス~」新シーズンのプロダクションの一環として、DigitalFilm TreeはDaVinci Resolveを軸とした、Critique、ProStackと呼ばれる新しいソフトウェアを開発した。デイリーのリモートグレーディングとトランスコードがDaVinci Resolveを使って行われおり、すべてのRAWカメラファイル、確認用、編集用のファイルは、DigitalFilm TreeのLAスタジオのProStackクラウドサーバーに保存されている。

また、DigitalFilm Treeは、DaVinci Resolveをカラーコレクションだけでなく、オンライン編集の最終段階での変更やVFXの追加に使用した。

DigitalFilm TreeのCEO、ラミー・カトリブ氏は次のようにコメントしている。

カトリブ氏:DaVinci Resolveは、全体のポストワークフローが非常にシンプルで、私たちが使用している他のポストソフトウェアともシームレスに動作します。DaVinci Resolveを使用してデイリーでの作業、編集、コンフォーム、さらに最終的なグレーディングとオンライン編集、そして必要に応じた微調整を行いました。

DigitalFilm TreeのCTO、ギヨーム・オーブション氏は次のようにコメントしている。

オーブション氏:リモートデイリーにDaVinci Resolveを使用することで、リモートプロダクションにかかる2日の所要時間を6時間以下にまで削減できたので、ポスプロの段階で貴重な時間の半分を見直しと改善に充てられました。DaVinci Resolveはデイリー処理における効率性の救世主と言えます。

DaVinci Resolveをカラーコレクション、オンライン編集、トランスコードに使用することで、クラウドベースの確認/承認ソフトウェアであるCritiqueを使い、すべてのポストプロダクションチームが同じ場所にいなくても、クラウド経由で共同作業することが可能となった。一方、ProStackはOpenstackプラットフォームで構築されたソフトウェアで、ポストプロダクションのあらゆる面を統一するシームレスなハイブリッド・クラウドソリューションを提供するという。

カトリブ氏:この方法は、従来のデイリーの作成や、クラウド経由で世界中のさまざまな場所からデイリーをリモート作成するのに効率的です。私たちは制作現場でシステムを設定し、このシステムをLAのスタジオで組織化しました。「溺れる女たち ~ミストレス~」はバンクーバーで撮影されたのですが、デイリーカラリストの所在地に関わらず、毎日DaVinci Resolveを使用してデイリーのトランスコード、LUTの適用、リアルタイムのデイリーカラーコレクションを行うことができました。運送業社との翌日配達交渉、税関とのやりとり、配達の待ち時間や道順の説明などは必要ないのです。ProStackを使用することで、トランスポート、保存が簡単になり、番組のすべてのRAWファイルがクライアントからアクセス可能になったのです。これはデイリーの未来形です。これを可能にしたのがDaVinci Resolveなのです。