カナダ最大手MSOであるロジャース・コミュニケーションズは、4K TVサービスを2016年中に開始し、ロジャースが所有する野球メジャーリーグのトロント・ブルージェイズの全ホーム試合とNHL(ナショナルホッケーリーグ)の試合を、ハイダイナミックレンジ(HDR)の4Kで中継することを発表した。初年度にはスポーツ中継を、同社が所有するスポーツチャンネルSportsnetで100回以上放送する予定。
また4Kストリーミングに関しても、同社が所有するストリーミングサービスShomiとNetflixとタイアップしてインフラとコンテンツを強化し、ライブイベント、テレビ、映画コンテンツを合計500時間以上にわたって提供していくという。Netflixとの提携で、Netflixのサーバーに直接接続することでネットワークスピードを高速化させ、より映像クオリティも高いサービスを提供できるとしている。
ロジャースは、MLBブルージェイズとホームスタジアムのロジャーズセンター、そしてSportsnetを所有していることで、ケーブル事業者およびネットワークの制御も整い、現場撮影から配信まで4Kサービスの準備を着々と進めている。現場のライブプロダクションは米ドームプロダクションと提携し、2台の4K対応中継車を構築中という。年度末には現場で試験を始めて来年1月中には“4Kレディ”体制まで持っていく。Sportsnetでは1月23日の週からNHLの4K HDR中継を開始する予定。
現地時間5日にロジャーズセンターで行われたロジャースの発表会では、更に詳細が説明された。年内にトロント地域から開始する4Kレディのギガビット光高速インターネットサービス「イグナイト・ギガビット」は、2016年中に同社のケーブルサービス加入者を含めて400万世帯で利用できるようになる。下り最大100Mbit/s、上り最大50Mbit/sというイグナイトのサービス月額は149.99ドルになる。そして2016年早々に4Kセットトップボックスの提供を開始する。
(山下香欧)