国際オリンピック委員会(IOC)が、オリンピックを継続して盛り上げていくために計画している独自テレビチャンネルが来春に開局する予定だ。
オリンピックチャンネルは24時間体制で放送およびOTTサービスで展開していく。IOCは、オリンピック開催年でない期間もさまざまなオリンピック・ムーブメントと知識・教育をチャンネルを通して伝えていく意向だ。さらにIOCのアセットとアーカイブを共有するためのプラットフォームとして、アーカイブ向けにコンテンツと付加価値を増やしていくことを主な目的としている。
現在、オリンピックチャンネルのプロダクションサイトをスペイン・マドリッドにあるOBS(Olympic Broadcasting Services)に置き、約120人のスタッフで準備を進めている。番組は試合中継からハイライトニュース、そして選手やボランティアの紹介ストーリーなどが予定されている。主言語は英語だが、各国のテレビチャンネルと提携してローカライズされたコンテンツとなることも可能だという。商業サイトはスイスのローザンヌで活動している。
OBSでは昨年からオリンピックチャンネルでのハイヤリングを逐次行っている
そしてテレビチャンネルの開局と同時にマルチスクリーンでの配信も予定している。これは番組視聴の環境が多様化したことを受け、若年齢層のオリンピックに対する興味を確保するために仕向けられた。この春にクアラルンプールで開催された128回目のIOC総会では、世界有数の広告代理店であるWPPグループのCEOマーティン・ソレル氏がデジタルオリンピックの展開を強調し、オリンピックチャンネルについて「メディアプラットフォームを築く大胆な一歩」と称賛している。
オリンピックチャンネルの開設は、昨年末に開催されたIOC総会にてオリンピックアジェンダ2020の下で承認された改革の一部。AP通信によれば予算は6億ドル。IOCは10年間で投資を回収できることを期待している。3月に発表された2015年のコミッション内容変更によると、米国オリンピック委員会会長のラリー・プロプスト氏がオリンピックチャンネル委員会の会長に任命されている。
(山下香欧)