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10月2日から米国で劇場公開しているリドリー・スコット監督最新作品「The Martian(火星の人)」では、GoProがストーリーラインを語る大役を演じている。日本では来年2月より公開予定(日本タイトルは「オデッセイ」)。

クランクインは2014年の春。スコット監督は国際スペースステーションでGoProが実際に使われている方法を再現し、GoProカメラを宇宙服のパーツ(小道具)として取り付けることで進めていた。当初は全くGoProが助演的存在になるとは思ってもいなかったと、スコット監督はGoProブログで語っている。

The Martianの原作はアメリカでベストセラーになったSF小説。映画は、マット・デイモン演じる主人公の植物学者のマーク・ワトリーが火星探査中に事故で一人だけ火星に取り残され、地球からの救出が来るまで生き延びようとする姿を追うサバイバルストーリー。ワトリーが火星で過ごす毎日のシーンは、原作と同じく一人称語り手で描かれ、ワトリーは自分の活動をカメラで記録していく。ワトリーに代わりスクリーンにメッセージを伝えていくのがGoProだ。

スコット監督:MartianでのGoProは、飛行機のブラックボックスのような役目だ。もし、自分の周りでGoPro以外に話しかけるものが一切無くなったとしたら、きっとGoProが一転して自分の相棒となるだろう。ワトリーの場合もそうだ。

「GoProという役」とスコット監督が語っているように、GoProは他の役者よりも多く登場し、重要な役を果たす。宇宙服の一部であり、そしてワトリーの生存記録を伝える役割だ。GoProで撮ったフッテージを実際に起用することで、スクリーンに映し出された世界は、ドキュメンタリーに近い、今までになかったリアル性と親近感を与えている。

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IMBDより。The Martianの撮影カメラはREDに加え、GoPro Hero4がリストされている。現場では28台のGoProが使われ、今までのハリウッド映画でのプロダクションの中では最大のインテグレーションだったとGoProは説明している

実際、NASAではカスタマイズしたGoProを起用し、ローバーに実装させたり、スペースウォークでの収録などを行っている。今年の初めには国際宇宙ステーションの外でGoProからEVA(船外活動)を撮影している。

(山下香欧)