Blackmagic Designの発表によると、オーストラリアのシドニーを拠点とするBeyondProductionsが、Discovery Channelの人気テレビ番組「MythBusters」の新しいコンテンツ、バーチャル・リアリティ(VR)のポストプロダクション・ワークフローにDaVinci Resolveを使用しているという。

8月のエピソード「MythBusters vs. Jaws」以来、BeyondProductionsはその後のエピソード用に、郵便トラックの爆発、ゾンビの襲撃、ロケットの発射など、様々なVRのコンテンツを提供している。これらのVR映像は、Discovery ChannelによるiOS/Android用VRスマートフォンアプリを使用するか、あるいは新設された専用サイト「Discovery VR」で視聴可能だ。

MythBustersで編集およびVR編集を担当するジュニアエディター、アンバー・シドワニ氏は次のようにコメントしている。

シドワニ氏:最初に撮影したのは、水中のサメの映像でした。撮影場所に関わらず、6台または7台のカメラを搭載したリグを使用して、360×180視野、4:3アスペクトレシオ、80fpsで固定ショットや主観ショット(POV)を撮りました。後にポスプロで映像を同期させるのも簡単でした。

撮影したフッテージはポストプロダクションでスティッチング・ソフトウェア(映像をつなぎ合わせるソフトウェア)に取り込まれ、同期、キャリブレーション、安定化、露出補正などが行われた。

BeyondProductionsのポストプロダクション部門代表、アンソニー・トイ氏は次のようにコメントしている。

トイ氏:それぞれのカメラアングルでキャンバスを構成する、パズルを組み立てるような作業でした。最終的には4096×2048のMP4ファイルになりました。4K、2:1アスペクトレシオ、80fpsです。VRコンテンツにとって、高解像度、高フレームレートはとても重要です。しかし、多くのポスプロのシステムは高解像度に対応できず、高フレームレートにも苦労しているのが現状でした。幸運にも、私たちのシニア・オンラインエディターであるマイケル・グラハムが、DaVinci Resolve Studioの使用を提案してくれました。

DaVinci Resolveの持つ解像度非依存という特性は、絶対に必要でした。つなぎ合わせた最終的なイメージのフレームサイズは、HD、2K、4K、UHDなどの標準的なフォーマットとは適合しないからです。つなぎ合わせたイメージの元の解像度で作業を行えたので、最終的な出力にブランク部分が入ることもありませんでした。イメージを巻き込むようにしてVRの360度イメージを作成する上で、ブランクがあると良くありません。

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シドワニ氏:DaVinci Resolveの最大の強みは、ファイルの元のアスペクトレシオとフレームレートに対応できるところです。ファイルを他のフレームレートのファイルにエンコードしません。80fpsは納品の手前までは良いのですが、最終的にメディアを再生する携帯電話などのデバイスは80fpsに対応していないので、仕上げたファイルは30fpsで納品しました。DaVinci Resolveはフレームごとに変換を行うので、変換プロセスの後でも、フッテージの動きがスムーズです。

スムーズな映像によって、視聴者はVR体験にさらに入り込みやすくなり、映像酔いを起こすこともありません。すばらしいVR体験を提供する上でとても大切なポイントです。

またDaVinci Resolve Studioは、フッテージのグレーディングにも使用され、このグレーディングはコンピューターのモニターで行われたという。

トイ氏:映像は4096×2048では出力しません。放送用スタンダードではないからです。したがってグレーディングはコンピューターのモニターで行います。DaVinci Resolveに搭載されたスコープはすばらしく、ガイドラインの範囲内に収めるのにも非常に役に立ちます。

彼らが使用したスティッチング・ソフトウェアでは、すべてのカメラのバランスを取れるのでつなぎ目もスムーズだったという。ソフトウェアはできる限りのディテールを保持しようとするため、ルックが多少フラットになってしまう場合があるが、Beyondチームはこれらのイメージを視聴する最終的なプラットフォームがVRやスマートフォンのスクリーンであることから、鮮やかで活気があり、力強いルックを求めていた。

グラハム氏:フラットなイメージは少し問題でしたが、DaVinci Resolveのツールや機能で解決できました。オリジナルのフッテージは圧縮8-bitソースからのものなので、サチュレーションやコントラストを上げると、圧縮によるアーチファクトやバンディングが鮮明になってしまいます。DaVinci Resolveでは、32-bit環境、ノイズ除去フィルター、その他の機能を組み合わせて作業できるので、イメージを際立たせ、目標とするルックを達成しながらも、“加工しすぎ”たようなルックになることはありません。

VRでは、DaVinci Resolveはグレーディングツールとしてだけでなく、完結型のフィニッシングツールとして活躍しています。DaVinci Resolveの新しいツールやタイムラインでは、編集、グレーディング、VFXや他のエレメントの取り込み、VR体験の向上など、すべての作業を解像度非依存の32-bit環境で実行できます。