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Blackmagic Designの発表によると、Goldcrest Post Londonは今年のロンドン映画祭でプレミア上映されたイギリスの歴史映画「Suffragette(原題)」のグレーディングにDaVinci Resolve Studioを使用したという。

ロンドン映画祭の初日に上映された「Suffragette」は、女性の投票権獲得のストーリーを描いた劇場映画。カラリストはロブ・ピッゼイ氏、監督は「Brick Lane(原題)」のサラ・ガヴロン氏、撮影監督は「フランス組曲」のエドゥアルド・グラウ氏が担当した。

「Suffragette」は、投票権獲得運動の争いにおける暴力的な側面の描写を避けることなく、グラウ氏とピッゼイ氏はアメリカ人写真家ソール・ライター氏の作品を参考に、16mmフィルムおよびデジタルで撮影を行い、同作品の独特なザラついた質感を作り上げた。DaVinci Resolveは、「Nea tVideo」というプラグインがあり、このプラグインとピッゼイ氏が作成したプラグインを併用して、制作チームはガヴロン監督の意見に基づき、グレインのレベルをリアルタイムで調整した。

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Goldcrest Post Londonのマネージング・ディレクター、パトリック・マロン氏は次のようにコメントしている。

マロン氏:「Suffragette」は素晴らしい作品で、ロンドン映画祭で上映されるに価すると思います。とても嬉しいニュースで、本当に誇りに思います。 担当するプロジェクトの多様性という意味で、私たちは常に恵まれています。知性に訴えるような作品が多くの人に鑑賞され、賞賛を受けると特にやりがいを感じます。

今年高い評価を得たもうひとつの作品が、マイケル・ファスベンダー、マリオン・コティヤールが主演した「マクベス」のハリウッドリメイクだった。この作品では、Goldcrest Post Londonのカラリスト、アダム・グラスマン氏が「Snowtown/スノータウン」のジャスティン・カーゼル監督「TRUE DETECTIVE/二人の刑事」のアダム・アーカポー撮影監督と手を合わせ、残忍性の際立つシーン、夢や幻覚のようなシーンを作り上げた。また DaVinci Resolve Studioを使用して、グレーディングにおけるあらゆるルールを破り、カラーの急転を表現した。

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映画の中で各シーンのカラーをシームレスに一致させるという、カラリストとしての通常の役割を果たすのではなく、グラスマン氏は「マクベス」において各ショットの間でカラーを意図的に急変させた。それぞれのシーンを故意に異ならせることによって、シェイクスピアの傑作戯曲を、今までに誰も観たことのない形で表現したという。

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マロン氏:非常に競争率の高い業界です。最高級のサービス基準を維持し、これまで必死に積み上げてきた評判を守っていく必要があります。これらの基準が少しでも落ちると、自分たちのビジネスにとって大きな損害となる恐れがあります。「Suffragette」や「マクベス」など、注目度の高い作品ではなおさらです。DaVinci Resolveは、私たちのワークフローの要です。極めて信頼度が高く、効率の良い映像制作パイプラインを設計できます。プロジェクトの編集や納品において、それらの要件を効果的に満たすプロセスとなっています。また撮影監督は、非常にパワフルなフィニッシング・ツールで映像の仕上げを行うことができます。