Blackmagic Designの発表によると、Sim Groupの系列会社であり、ロサンゼルスでポストプロダクションを専門的に行うChainsawのジョー・フィンリー氏が、エミー賞を獲得したHBOのドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」のグレーディングに、DaVinci Resolveを使用したという。

フィンリー氏は、DaVinci Resolve Studioを使用して2012年より同シリーズのグレーディングを行っている。6月にシーズン5のファイナルが放送された今、2016年に放送が予定されているシーズン6に高い期待が寄せられている。

ジョージ・R・R・マーティン著のベストセラー・ファンタジー小説シリーズ「氷と炎の歌」を原作としたHBOの「ゲーム・オブ・スローンズ」は、夏や冬が数年間続くこともあるウェスタロス大陸を舞台とした、貴族と裏切りの物語。

フィンリー氏は、複数のカラースタイルを使い分け、環境の違いを表現することで、視聴者は7つの王国を簡単に区別できると言う。DaVinci Resolveのカスタムカーブ、セカンダリー・コレクション、キーヤー、合成を駆使して、同シリーズの絶妙なルックやカラーを作り出しているという。また作業中に、複数のルックをリアルタイムで切り替えられる。

フィンリー氏:DaVinci Resolveは速いです。私が大好きな理由のひとつですね。レンダリングせずにリアルタイムで作業を行えるので、別のルックを見せる必要がある場合にとても便利です。

場所や物語を区別できるようにする上で微妙なカラー調整が重要である一方、同シリーズの全体的なルックにはリッチなフィルムルックの作成が求められた。エピソードのテーマに関わらず、カラーを鮮やかにするか抑えるかに関わらず常に本物のフィルムルックを追求しています。フィルムを使用していない素材で、可能な限り質の高い劇場映画のルックを作るんです。

Log素材を使用する場合、フィルムルックを得るためには、すでにある程度良い状態からグレーディングを開始する必要があります。DaVinci Resolveでは、通常の直線的なカラーコレクションと併せて、Logモードでカラーコレクションが行えます。私はこれらのモードを頻繁に使用しています。

DaVinci Resolveは、ユーザーの創造性を邪魔することがまったくありません。促進するのみです。