Blackmagic Designの発表によると、アメリカ合衆国で最大規模の小児科医療システムである、ミネソタ州のチルドレンズホスピタル&クリニック(以下:チルドレンズ)が、Blackmagic DesignのDaVinci ResolveおよびATEM Television Studioを使用して、病院内で放送する番組を制作しているという。これらの番組はチルドレンズの院内テレビチャンネル、Star Studioでオンエアされている。
チルドレンズはこれまでも長年に渡って患者たちに番組を提供してきた。その歴史は、1978年にまで遡る。同院の警備員であったラリー・ジョンソン氏が手持ちの機材を使って、「The WishingWell(回復を願って)」という番組制作を行ったのが始まり。「The Wishing Well」の放送が終了した後、2008年にStar Studioが始まった。現在では8本のライブ放送が制作されており、将来的には夜間や土曜にも放送を行う計画が進められている。コンテンツを24時間対応で放送する計画に加え、患者たちの家族、そして退院した患者が家からでも楽しめるよう、Star Studioのコンテンツはオンラインでも視聴できるようになっている。
Star Studioは、ATEM Television Studioライブプロダクションスイッチャー、2台のMicro Videohubルーター、DeckLink Studio 4K、DeckLink Extreme 3D、Ultra Studio Thunderboltキャプチャー・再生、そして複数のMini ConverterおよびMini Recorderを使用している。また、Star Studioは、編集およびカラーコレクションにDaVinci Resolveを、VFXにFusion Studioを使用している。
Star Studioの放送エンジニア、ベン・ディガー氏は次のようにコメントしている。
ディガー氏:どの番組でも、私たちは子供たちとその家族に感情のはけ口と笑いを提供することに尽力しています。番組のインタラクティブな部分は、子供達が自分の病気のことを一時でも忘れて、番組に参加できるように構成されています。子供達は院内の様々な調査に対して投票したり、あるいはそれができるほど元気な子であれば、スタジオまで来てもらってテレビから誰かにメッセージを送ったりできる内容になっています。
2014年6月より、第2のキャンパスでも撮影を行うことになったが、Star StudiosはBlackmagic Designの製品を使うことで、ミネアポリスとセントポールのどちらのキャンパスでも、スムーズに撮影を進めること可能になったとしている。
ディガー氏は、どちらのキャンパスでもMicro Videohubを中心的なハブとして使用し、3台のカメラ、スイッチャー出力、スタジオからのライブ信号、その他のビデオソースをスタジオのテレビにルーティングしている。ATEM Television Studioは、番組のフィルターとして使用されており、遅延を防ぎ、ライブ放送に何らかの問題が生じた場合に備えたバックアップの役割を果たしている。
ミネアポリスのスタジオはメインコントロールルームとして機能し、グラフィックやビデオをATEM Television Studioへ再生するためにDeckLinkカードが使用されている。また、別のDeckLinkカードを使って、コンテンツのスケジュール調整やライブビデオの放送に使用するメインコンピューターに映像を読み込んでいる。セントポールキャンパスでもこれと同様に、ディガー氏のチームがUltraStudio Thunderboltを使ってグラフィックやビデオを再生している。どちらのキャンパスでも、システムの接続にはMini Converteを使用している。また、Videohubから院内のデジタルサイネージへの映像配信の一環として、Mini Recorderも使用されている。
ディガー氏:限られた人数と機材で番組を制作するには、Blackmagic Design製品を中心に据えた信頼性の高いワークフローが不可欠です。信頼性の高い製品を使用すれば、本来主人公であるべき子供達を主人公にした子供達にとって最善の番組を作る、という点に集中できるのです。
ポストプロダクションでは、ディガー氏と彼のチームはFusion StudioをVFXに、そしてDaVinci Resolve 12をカラーコレクションと編集に使用している。Star Studioのミュージックシリーズでは、様々な地元の有名アーティストを特集している。DaVinci Resolve 12を使ってビデオを編集し、異なるカメラのショットをグレーディングすることで映像のルックに一貫性を持たせている。
ディガー氏:最初は、プレミアプロジェクトでDaVinci Resolve 11を使い始めました。そしてDaVinci Resolve 12がリリースされてからは、編集機能も活用するようになったんです。クリップを編集に基づいて分割するので、異なるカメラのショットでも別のショットに影響が出ないようにグレーディングできます。この機能は非常に重宝していますね。DaVinici Resolve 12を使用することで、編集およびカラーコレクションのプロセスが非常に簡単になりました。