Blackmagic Designの発表によると、ドイツの衛星放送チャンネルpearl.tvが、Blackmagic Designの放送インフラを使用して12G-SDIマルチカムワークフローを構築したという。これにより、同局はヨーロッパにおいて初めて4KをASTRA静止衛星へと送信する放送局となる。同局のUltra HDワークフローには、ATEM 2 M/E Broadcast Studio 4K、Blackmagic Studio Camera 4K、UltraStudio 4K ExtremeなどのBlackmagic Designハードウェアが含まれている。
pearl.tvは、ドイツ、ブッギンゲンのEnStyleスタジオを拠点として展開しているショッピング・チャンネル。ドイツ語圏をすべてカバーし、2,700万世帯の潜在顧客を持つ同チャンネルは、常に放送イノベーションの最先端にいる。同チャンネルがUltra HD放送へ移行する上で必要不可欠だったのは、高フレームレートの4Kを扱えることであった。
Blackmagic DesignのUltra HD製品を基にした統合4Kプロダクションワークフローを導入するにあたり、局内の2つのスタジオと中央プロダクション・ギャラリーを接続するために、800m以上の12G-SDIシングルリンク同軸ケーブルをインストールする必要があった。
pearl.tvのジェネラルマネージャー、ミヒャエル・ジヒラー博士は次のようにコメントしている。
ジヒラー博士:これまで使用していたSDIケーブルで2m以上の物はすべて破棄して、12G-SDIのプレミアム同軸ケーブルに置き換える必要がありました。これにより、4Kプロダクションワークフロー全体を通じて完全なシグナル・インテグリティを実現できました。
このマルチカムワークフローの中心となっているのが、Blackmagic DesignのATEM 2 M/E Broadcast Studio 4Kスイッチャーである。12G-SDIインターフェースに対応したATEM 2 M/E Broadcast Studio 4Kは、60fpsまでのUltra HDを扱うことが可能。価格、製品詳細、購入に関する問い合わせ先を表示するローワーサードを追加し、UltraStudio 4K Extremeと組み合わせたBlackmagic OEM ToolsOnAirによる再生システムにより放送用のH.265エンコードファイルを供給することができる。
pearl.tvネットワークの視聴者があらゆるテレビからプログラムにアクセスできるよう、スイッチャーでHD出力を生成し、さらにエンコーダーでダウンコンバートSD信号を生成して、マルチフォーマットの同時放送を実現している。
毎日作成される8時間のライブコンテンツは、6台のBlackmagic Studio Camera 4Kを使用して2ヶ所のメインスタジオで撮影され、さらに3台のBlackmagic URSA 4Kが野外での撮影に使用されている。
ジヒラー博士:pearl.tvは40代以上の男性視聴者をターゲットにしており、最新のマストアイテム・ガジェットやテクノロジーを紹介しています。実際のショッピング体験は、非常に接触的かつ感情的なものですが、私たちはpearl.tvをその実際の体験に少しでも近づけたいと考えています。私たちは視聴者に対して、製品に関する可能な限り最高水準のプレゼンを行う必要があるのです。驚異的なUltra HDの画質は視聴者の購買意欲をとニーズを高める大きな助けとなっています。
最先端のテクノロジーを採用することは、pearl.tvの重要なポリシーです。そのため、私たちは誰よりも早く、Ultra HDのライブチャンネルを開始するという課題に立ち向かいたいと考えていました。しかし、放送マーケット自体がまだ初期段階にあるため、マーケットに対応する機材を調達することが困難だったのです。放送局品質で信頼性の高いUltra HDワークフローを実現できるBlackmagic Designは、私たちにとって明確な選択肢でした。Blackmagic Design製品の使い勝手の良さと多彩な機能により、4K放送へとスムーズに移行することができたのです。