※写真は昨年の様子

株式会社JVCケンウッドは、2016年4月16日から21日(米国時間)に米国ラスベガスで開催されるNAB2016に出展する(セントラルホール/C4314)。

同社ブースでは「On-Air overIP」をテーマに掲げ、ライブ映像制作をメインとしたIPベースのシステムを各種展示。取材・報道向けの技術として培ったライブストリーミング技術を生かした業務用映像機器の展示を通して新たなIPソリューションを提案するとしている。また、日本アイ・ビー・エム株式会社、株式会社朋栄とのコラボレーションによるコンセプト提案も行う。同社ブースの展示内容の詳細は以下の通り。

(以下、同社プレスリリースより引用)

■映像制作の各分野に向けたIPソリューション

1.「ENG and Broadcast over IP」

1)報道制作向けシステム
これまで報道制作の分野で好評を得てきたIPストリーミング対応カメラレコーダーに、新たなラインアップを追加。どこからでも即時にライブ映像を配信できる報道制作向けシステムの機能を拡張し、信頼性と利便性をより高めたシステムを提案します。また、映像配信システムとして、低価格なプライベートネットワーク環境による、伝送信頼性が高く、さまざまな施設への設置に柔軟に対応するストリーミングシステムを展示します。

◆主な展示商品

  • 新商品 HDメモリーカメラレコーダー「GY-HM620U」「GY-HM660U」
    高画質撮影と優れた配信機能を備えた、報道制作分野向け業務用カメラレコーダー。新開発の250万画素1/3型フルHD 3CMOSセンサーを搭載し、F12の高感度と低ノイズの両立を実現。低照度下においても、高解像度記録が可能です。上位モデル「GY-HM660U」は従来モデルが持つ配信機能をさらに強化。新たにリターンオーディオ(IFB)機能に対応※1し、ライブストリーミングと同一回線を使用して局・スタジオから撮影現場への音声フィードバックが可能。また、“SMPTE2022-1”プロトコルを搭載し、ライブストリーミング機能も強化しました。

※1:ファームウェアアップデートにて対応(6月公開予定)。

2)スタジオ制作向けシステム
スタジオ制作分野の商品強化に向けて、当社初のPTZリモートタイプのIPストリーミングカメラとコントローラー、さらにIPデコーダー/エンコーダーを参考出品します。

◆主な展示商品

  • 参考出品 HDPTZリモートカメラ「KY-PZ100U」&リモートコントロールユニット「RM-IP100U」
    遠隔地や撮影の困難な設置場所に対応が可能なリモートカメラとコントローラーを参考出品します。一般的なリモートカメラの機能に加えて、有線・無線での低遅延ライブストリーミングを実現。用途に応じて3G-SDI/HDMI/IPストリーミングのいずれかを選択して出力、もしくは同時出力が可能です。同時に参考出品するリモートコントロールユニットにより、リモートカメラおよび当社のネットワーク対応カメラレコーダー(「GY-HM200/660/850/890/LS300」)の遠隔地からの設定も可能にします。
  • 参考出品 HD IPデコーダー「BR-DE900U」&HD IPエンコーダー「BR-EN900U」
    IPベースのスタジオ制作分野に向けたHD IPデコーダー&エンコーダーを参考出品します。HDデコーダー「BR-DE900U」は2つのライブ映像を同時に出力ができ、リターンオーディオにも対応します。HDエンコーダー「BR-EN900U」はテレプロンプタに対応する原稿映像の送出ができるほかカメラへのリターンビデオ機能を搭載。低遅延で安定したストリーミングシステムを提案します。

2.「Video Production and Sports over IP」

1)スポーツ制作分野向けシステム
スポーツ制作分野向けシステムとして、高校や大学のスポーツ競技のライブ中継で採用されているスコア入力機能を搭載したIPストリーミングカメラ「GY-HM200SP」や、コーチング向けに選手のバイオメタリック情報の同期ができる画期的なシステムを展示します。

◆主な展示商品

  • 商品展示 スポーツプロダクションカメラレコーダー「GY-HM200SP」(2015年12月US発表
    業務用4Kメモリーカードカメラレコーダー「GY-HM200U」をベースに、ライブストリーミングや収録映像にスコアやチームロゴ(オプション)を自動的にオーバーレイすることができ、撮影と得点入力を1人で同時に行えます。スコア入力はネットワークに接続したスマートフォンやタブレット、またSportzcast社のスコアボード装置と連携することも可能です。
  • 商品展示 ProHDスポーツコーチングカメラレコーダー「GY-HM650SC」(2015年12月US発表)
    ProHDハンドヘルドカメラレコーダー「GY-HM650U」で撮影しながら、XOS Digital社のスポーツコーチング向けアプリケーション「XOS Thunder HD」と連携することで、即座に映像によるスポーツコーチングを実現します。ライブストリーミング信号に自動的に時間情報が埋め込まれ、選手のバイオメトリクスデータとの同期を可能にします。また、ゲームの状況に応じて任意のメタデータをストリーミングに埋め込むこともできます。

2)ライブ中継・映像制作分野向けシステム
ライブ中継・映像制作分野向けとして、マルチカメラによるフィールド映像制作に対応した、無線ネットワークで構成される自由度の高い制作システムを提案します。Silvus社との協業で開発した高品質な映像伝送のためのプライベートネットワーク「JVCプライベートMESHビデオネットワーク」や、NewTek社製のマルチカメラによるライブ映像制作システムを展示。映像を伝送するためのケーブルを使わない、無線ネットワークによるシステムにより、設置自由度の高いライブ映像制作システムの構築を可能にします。

◆主な展示商品

  • 商品展示 Silvus社との協業で開発した「JVCプライベートMESHビデオネットワーク」(2015年11月US発表)
    Silvus社が開発した無線プライベートネットワーク伝送システムと当社のIPストリーミングカメラにより、通信品質の高い、高画質なHD映像の配信を安価に構築できるシステムです。
  • (商品展示) NewTek社製「TriCasterTM」を使った無線ネットワークによるライブ映像制作システム
    NewTek社製のライブ映像制作用ターンキースタジオスイッチャー「TriCasterTM」シリーズを使った無線ネットワークによるライブ映像の制作システムを展示します。当社のIPストリーミングカメラとNewTek社のターンキーライブスイッチャーによる無線ネットワーク上に構成できる安価で設置自由度の高いシステムです。
■業務用映像システム・映像制作向けの主な商品展示

1.参考出品放送局向け24型モニター「DT-V24G2」
放送局向けモニターとして好評を得てきた「DT-Vシリーズ」の新商品を参考出品します。新たに高画質エンジンを採用し、10bitの広色域に対応した24型モニター。編集や映像確認など高い映像再現性が要求される用途向けとして提案します。

2.商品展示4Kメモリーカードカメラレコーダー「GY‐LS300CHU」によるHDRソリューション
バージョンアップにより機能を追加した、「GY-LS300CHU」のJVC Log記録によるHDR(ハイダイナミックレンジ)のデモンストレーションを行います。「J-Log1」という当社独自のガンマカーブ特性で収録することで、記録が可能な明るさのレンジを拡大しながら、階調豊かでフィルムライクな映像表現が可能となり、これまでにない映像表現が可能となります。デモンストレーションには、当社HDRリアプロジェクションシステム「LY-HDR36G-2/-4」を使い、この拡張されたダイナミックレンジの効果を体感いただけます。

3.バージョンアップ4K/HDメモリーカードカメラレコーダー各機種のネットワーク機能を強化(対応機種:「GY-HM850U」「GY-HM890U」「GY-HM200U」「GY-HM170U」「GY-LS300CHU」)
業界標準の「SMPTE2022-1」プロトコルをバージョンアップにより、4K/HDメモリーカードカメラレコーダー各機種に搭載。ネットワーク機能をさらに強化し、簡単かつ低コストで高品位なデータ送信を可能にしました。また高い信頼性で安定したデータ送信が可能なクラウドサービス“Zixi”※2について、送信補正を強化する新たなモードを追加しました。さらに、ネットワーク経由で音声を受信できるリターンオーディオ(IFB)機能※3により、撮影者はスタジオ・コントロールルームからネットワークを介して音声による合図などを受け取ることが可能になります。「GY-LS300CHU」はハイスピード撮影機能を新たに搭載。滑らかなスローモーション映像の撮影を可能にしました(120fps/1920x1080p記録時)。

※2:「Zixi」の利用には別途加入契約が必要です。

※3:「GY-HM850/890」のみファームウェアアップデートにて対応(2016年上期公開予定)。

4.商品展示映像制作分野向け4K対応リモートカメラシステム(Bradley社協業製品)
英国Bradley社(BR RemoteLtd.)との協業により共同開発した4K対応リモートカメラシステムを展示します。当社のグループ会社である、AltaSens社の4K/60p対応Super35mmイメージセンサーを搭載したカメラモジュール「AL-CM460」と、Bradley社のリモートヘッドの組み合わせにより、遠隔地からのパン・チルト・ズーム動作と4K/60pの映像信号をファイバーケーブル1本で伝送できるリモートカメラシステムです。次世代の4K映像制作に向けて、スタジオ収録やスポーツイベント撮影などのさまざまな制作分野に対応します。また、当社ProHDカメラレコーダー「GY-HM660U」とBradley社のリモートヘッドとの組み合わせによるHD制作用リモートカメラシステムも合わせて展示します。

■ビジネスパートナー(日本アイ・ビー・エム株式会社、株式会社朋栄)とのコラボレーションによるコンセプト提案

日本アイ・ビー・エム株式会社、株式会社朋栄とのビジネスコラボレーションによる提案を行います。当社のIPストリーミングカメラレコーダーを映像情報の起点となるIoTとして位置づけ、クラウドサーバーに構築されたメディアアセットマネジメントにデータベースとして登録。ライブストリーミングの映像とメタデータを使ったストレージサービスやアプリケーションサービスを提案します。(IBMブース:サウスホール#SL3305にて展示)