HDC-4800はPLマウントのレンズが使用可能
米ソニー・エレクトロニクス・プロフェッショナル・ソリューションズ(米ソニー)は、NAB前日の記者発表会にて、4K/HD対応システムカメラHDC-4300の次世代モデルとなる、4Kで8倍速スーパースローモーション映像を撮影できるライブカメラシステム「HDC-4800」およびベースバンドユニット「BPU-4800」を発表した。
米ソニー社長 アレク・シャピロ氏と、開発担当のコンテンツクリエーション・ソリューション事業部事業部長 桐山宏志氏
HDC-4800について
HDC-4800には、新開発のSuper 35mm単板CMOSセンサーを採用したことで、データ処理を従来よりも高速化し、4Kで最大8倍速、フルHDで最大16倍速のスローモーション撮影が可能になった。つまり、4Kで480fpsという超ハイフレームレート(UHFR)に、フルHDでは720fpsでライブスポーツやイベントを捉えることができる。UHFRに加えて、ITU-R BT.2020に対応し、広い色域の再現力を持つ。
「4Kスローモーションという新しいスタンダードを持つシステムならば、スポーツ試合でのクリティカルな一瞬も見逃さずに捉えられる」と米ソニー社長のアレク・シャピロ氏は説明した。「このカメラシステムは沢山のことができる」と米ソニーのコンテントクリエーション担当マーケティングマネージャーであるロブ・ウィロックス氏が伝えるように、4K映像をリアルタイムにHD映像として切り出してズームするようなオペレーションも現行機と同じ操作で行える。
本カメラシステムは、CBSが放送したスーパーボウル中継にて試験的に採用されていたもの。
さらに、ソニーが提唱するネットワーク・メディア・インターフェイス(NMI)を採用しており、SDIの代わりにIPを使う次世代のライブ制作のインフラ移行にも柔軟に対応できるとしている。10Gでのネットワーク接続で複数サーバ間のファイル共有ができるShare Play機能を通して、PWS-4500プロダクションサーバから直接、BPU-4800内に記録された映像のハイライト編集やリプレイが実行できるという。
BPU-4800について
BPU-4800は現行のプロセッサユニットからストレージ容量を増やし、カメラからデータをサーバに転送せずに、そのまま4K映像8倍速で最大4時間の連続記録が行えるキャパシティを持つ。スポーツ中継において、カメラ側が撮影データを転送する際、つまり、シューティングと転送を同時に行うがために内蔵メモリー容量がすぐにフルに達してしまい、貴重な瞬間を見逃してしまう危機の可能性があるが、BPU-4800はそういったリスクを排除できる。
記者発表会場での米ソニーからの話では、本システムの出荷はこの8月を目安にしているという。価格については未発表。
今回、発表されたHDC-4800、BPU-4800やXVSスイッチャーの新製品のほかにもNMI対応のIPプロダクションのエコシステムには、現行の製品が並ぶ。
(山下香欧)