Blackmagic Designの発表によると、アーロン・カーターの新曲「Fool’s Gold」のミュージックビデオの撮影に、URSA Mini 4.6Kデジタルフィルムカメラが使用され、またロサンゼルスを拠点とするポストプロダクション・スタジオCoyote Postのロバート・クロスビー氏は、同ミュージックビデオのカラーグレーディングにDaVinci Resolve Studioを使用されている。

アーロン・カーターとプラチナディスク受賞ソングライター/ビジュアルクリエイティブであるジョン・アッシャー氏の共同監督のもと制作された「Fool’s Gold」は、彩度の高いゴールドと、それとは対象的な抑え目のカラーを組み合わせたクリーンなシネマルックの仕上がりになっている。

アッシャー氏は次のようにコメントしている。

アッシャー氏:プリプロダクションの早い段階から、印象的なイメージを引き立てられる極めて映画的なルックにしようと決めていました。ゴールドの魅力に対してホワイトとブラックを持ってくることで、曲のテーマでもあるゴールドを強調できます。それらすべての要素を捉えて、鮮やかなルックを生み出せるカメラが必要でした。

URSA Mini 4.6Kの持つ15ストップのダイナミックレンジ、4.6Kセンサーのカラーサイエンスは、両監督のビジョンにぴったり一致した。さらに制作チームはURSA Miniのフレームガイド機能を使用してアスペクトレシオ2.40で撮影を行い、シネマルックをさらに強調した。

パフォーマンスの大部分はハーフスピード(48fps)で撮影され、ショットは現場で2倍速で再生された。スタッフはURSA Mini 4.6Kのフレームレートやダイヤルをコントロールし、スローモーションエフェクトに必要な素材を収録できた。また、カメラのプロジェクトスピードが23.98だったため、制作チームはカメラ本体でフッテージを再生し、すぐにスローモーションエフェクトを確認できた。

1605152_FoolsGold_08

同ミュージックビデオには、ゴールドでペイントされたモデルの目や唇に極限まで接近するショットが含まれている。これらのショットの撮影において、正確なフォーカスを瞬時に得られる機能は必須だった。URSA Mini 4.6Kのフォーカスピーキング機能ではピーキングがグリーンでオーバーレイされるため、制作チームは各テイクでフォーカスを簡単に確認できた。

CinemaDNG RAWで収録されたクリーンなイメージにはノイズがなく、シャドウやハイライトはディテールに富んでおり。制作チームは、ハイライトを持ち上げた際でもロールオフが滑らかで、素晴らしいフィルムルックであったとしている。カラリストのロバート・クロスビー氏は次のようにコメントしている。

クロスビー氏:URSA Mini 4.6Kは、他の多くのカメラが挑戦し続けているオーガニックな雰囲気をすでに達成しています。15ストップのラティテュードによって、グレーディングがスピーディで効率的になります。背景のホワイトを持ち上げた時も、白飛びの心配をする必要はあまりありませんでした。ブラックの背景にブラックのボディーペイントが重なった場合でも、十分なディテールが見えました。URSA Miniで撮ったイメージを見れば、多くの調整が可能であることがすぐに分かると思います。

グレーディングにおいて、クロスビー氏は大げさに見えない範囲で、かつできるだけポップなルックを作成するよう要求されたと言う。

クロスビー氏:映像の背景には多くのホワイトとブラックが含まれていました。それらは、フロントにあるものを強調するために役立ちました。URSA Miniで撮影されたイメージは、多くの調整が可能でした。ホワイトの背景を白飛びさせて完全なホワイトにしながら肌のトーンは完璧に保つなど、イメージ内の他の部分を犠牲にする必要がないんです。

1605152_FoolsGold_17

ベッドルームのシーンで、彩度の低いルックを作成する一方で、シーツのゴールドを際立たせたいと考えた同氏は、クオリファイアーを使用してゴールドのシーツの彩度を強調した。さらにDaVinci Resolveの色相vs彩度カーブを使用して、ゴールド以外の部分の彩度を落とした。

クロスビー氏:DaVinci Resolveの3Dトラッカーも大好きです。ベッドルームのショットではトラッキングを使いました。アーロン(カーター)の顔を少し明るくするためです。トラッカーは3Dアスペクトに対応しているので、小さなサークルが近くを動いているのではなく、光が彼を追っているように見えるんですよ。