CineGear Expo開催直前にして、パナビジョンから新しく、コンパクトな8Kデジタルシネマカメラシステム「DXL」が発表された。同カメラシステムの開発段階で、RED Digital Cinemaとパナビジョンが2年前に吸収したデジタルポストスタジオLight Ironが協同している。パナビジョンの光学的専門知識に、RED DRAGONセンサーとLight Ironのカラーサイエンスを結集した、ハイエンドのシネマ用カメラシステムに仕上げたという。
同カメラはアクセサリーを含めてモジュ―ル構成で重さは約4.5kgと、非常にバランスのとれた人間工学に基づいたパッケージとなっている。内蔵のレンズモーターでパナビジョンのPrimo 70レンズを制御でき、6系統の個別のSDI出力を搭載している点も大きな特長。REDのワークフローを継承し、8K .R3D RAW撮影に加え、4Kプロキシファイル(ProResまたはDNx)を同時に生成することができる。リリース当初は、パナビジョンからのシステムレンタルのみ。2017年には、自社でDXLを持てる認定スタジオや選定アーティストも検討するようだ。
主な仕様
- センサータイプ:16ビット、35.5メガピクセルCMOS
- 解像度:8192×4320
- センサーサイズ:ラージフォーマット40.96mm×21.60mm(対角:46.31mm)
- ダイナミックレンジ:15ストップ
- 最大フレームレート:8K(4320×8192)60fps、8K 2.4:1(8192×3456)75fps
- 記録コーデック:8K RAW+4Kプロキシ(ProResまたはDNx)
- 記録メディア:SSD(1台につき最長1時間まで記録可能)
- ファイルタイプ:.R3D(RED SDKでサポート)
- カラープロファイル:Light Iron Color(一般的な色域と伝達曲線と互換性有)
特長的な機能
- 6系統の独立したビデオ出力(SDI)
- 6つの独立した1D LUTまたは最大4つの独立した3D LUT
- 内蔵レンズモーターでワイヤレスにプリモ70レンズを制御
- 内蔵ゲンロック用タイムコード(ワイヤレス、アンビエント制御ネットワーク)
- デュアルメニュー(オペレータ側、アシスタント側)
- 優れた温度管理のための高度な気流システム
- チーズプレートのカスタム化対応
(山下香欧)