「キングコング対ゴジラ」<完全版>4Kデジタルリマスター TM&(C)1962 TOHO CO.,LTD.
ゴジラシリーズ初のカラー作品で、ハリウッドでリメイクも予定されているキンゴジこと「キングコング対ゴジラ」の4Kデジタルリマスター版が、7月14日にBS日本映画専門チャンネルBS255chとスカパー!4K総合でサイマル放送される。日本映画専門チャンネルでは2Kダウンコンバートしたものを、スカパー!4K総合では4K版を放送する。
BS日本映画専門チャンネルを運営する日本映画放送株式会社によると、本作が1962年に公開されて以来、ネガ原版4巻のうち1巻が行方不明になっていたため、今までの放送ではSD画質が混じったHD版を放送してきていたという。今回は、その姿をくらませていた1巻が発見されたため、「ゴジラ」シリーズ初となる全篇4Kデジタルリマスター作業が施された。
「キングコング対ゴジラ」<完全版>4Kデジタルリマスター TM (C)1962 TOHO CO.,LTD.
ネガ原版の合計は10巻。その全長約8800フィートになるフィルムを手作業で修復し、ARRISCANで1コマごとに4Kデジタルスキャンが施された。4Kでのスキャニングは2コマ/秒程度で、1コマあたりのデータは約50MBになるという。グレーディングはQuantel Rio 4Kで行い、4Kプロジェクターのスクリーニングに加え業務用マスターモニターと家庭用4Kテレビで再生し、色調整確認を実施している。フィルムの傷、汚れ、ゴミ、スプライス、退色痕などを1コマずつ修復するレストレーションは、MTIのNovaやDigital VisionのPhoenix、HS-ARTのDIAMANTといった、4K対応フィルムレストレーションソフトウェアを駆使して完成させている。音声は、保存されていた4チャンネルステレオのシネテープデータを修復、整音して使う。
「キングコング対ゴジラ」は2016年7月14日の夜9時から放送予定。さらに放送日の同時間にTOHOシネマズ新宿でも4Kデジタルリマスター版の上映会が実施される。日本映画専門チャンネルでは、同チャンネル視聴者限定で155名を招待する。応募期間は6月30日24時まで。
(山下香欧)