Blackmagic Designの発表によると、Proton Global Media Groupがラジオ番組「Financial Issues with Dan Celia」を、全米に点在する600以上のラジオ局で同時放送するために、Blackmagic Studio Camera 4K、Blackmagic Micro Studio Camera 4Kを含むBlackmagic Design製品を導入したという。
「Financial Issues with Dan Celia」は、フィラデルフィアから発信される2時間生放送のリスナー参加型キリスト教ラジオ番組。同ラジオ番組は、National Religious Broadcasters(NRB)Television Networkの4,500万世帯、BizTVの主要市場5,000万世帯以上、さらに独立ラジオ局やテレビ局に毎日提供されている。各放送において、同番組のホストであるダン・セリア氏は、リスナーからの電話に対応して質問に答え、全米の視聴者たちが資産の管理、投資、経済、市場に関して、聖書的な見解から話し合っている。
番組のゲストには、スティーヴ・フォーブズ氏、ベン・ステイン氏、T・ブーン・ピケンズ氏などの著名人や、数人の共和党大統領候補者が招かれる。同番組が米国全土で成功を収めたことを踏まえ、スポンサーはテレビによる同時放送を決断。単一カメラでのセットアップでテストを行った結果高い評価が得られたため、本格的な設備を持つスタジオへの更新が決断されたという。
予算が限られていたことや、フルタイムのスタッフメンバーがシニア・プロデューサーであるカエ・へスター氏とホストのダン・セリア氏の2人だけであったことから、Financial Issuesチームは今回のシステム更新に向けて、フロリダを拠点とするシステム・インテグレーターであるProton Global Media Groupに協力を求めた。同社の副社長でゼネラルマネージャーでもあるリッキー・ペリンチーフ氏は、ヘスター氏ができるだけ多くのカメラを導入し、複数アングルで撮影を行うことを求めていたとしている。しかし、すべてのカメラにそれぞれ専用のカメラマンは配置できないため、今回の更新は自動化されたものにする必要があった。ペリンチーフ氏はFinancial Issuesスタジオに、2台のBlackmagic Studio Camera 4K、5台のBlackmagic Micro Studio Camera 4Kを導入した。
Blackmagic Studio Camera 4Kは、メインカメラとして三脚の上で使用。Blackmagic Micro Studio Camera 4Kは1台が前後のパン用に自動スライダーの上に、1台がジブの上に、1台がホストのコンピュータースクリーンを写すためデスク上の安定した部分に、1台がスタジオ全体を撮るワイドショット用に、残りのカメラはスタジオ内で様々なアングルからの撮影が可能になるように配置された。
ペリンチーフ氏は次のようにコメントしている。
ペリンチーフ氏:彼らはカメラの画質と鮮明さに非常に満足しています。4Kの高品質イメージ、そしてBlackmagic Studio Camera 4KとBlackmagic Micro Studio Camera 4Kに同じセンサーが使用されているという事実に感銘を受けていました。つまり、スタジオでの使用に特化したBlackmagic Studio Camera 4Kと、安価でもマッチしたルックが得られるBlackmagic Micro Studio Camera 4Kを併せて使用することで、実に素晴らしいマルチカメラ・セットアップを構築できるのです。
各カメラフィードは、Blackmagic DesignのATEM 1 M/E Production Studio 4Kに送信されライブスイッチングされ、ヘスター氏は、ATEM Software Controlを使用してカメラをリモートコントロールする。これは、スタッフが2人しかいないセットアップにおいて重要な機能だという。ペリンチーフ氏はさらに、キャプチャー・再生用にUltraStudio 4Kを設置し、Macコンピューター出力のコントロールや、グラフィックのライブ表示が可能となったことで、番組に株価情報や経済ニュースのヘッドラインをライブでの取り込みが行えるようになった。
他にもペリンチーフ氏は、収録用にHyperdeck Studio Proも導入しており、同氏はATEMスイッチャー6.8アップデートにより、HyperDeckの収録・再生をATEMから実行可能になったことは極めて意味の大きいものだったとしている。
HyperDeckで収録することにより、番組放送後にハイライトをYouTubeに投稿することが可能。同番組は4Kで撮影され、ATEMを介して放送用にHDへとダウンコンバートされる。しかし後にオンライン配信すること、そしてフル4Kを扱える環境が整っていることを踏まえ、4Kビデオでの収録およびYouTubeへの配信を早々に開始することを検討しているという。