Blackmagic Designの発表によると、ドイツで行われたエレクトロニッ ク・ダンス・ミュージック(EDM)イベント「UNITE」で、ATEM 2 M/E Production Studio 4K、ATEM 2 M/E Broadcast Panel、Blackmagic MultiView 16を主軸としたマルチカムライブプロダクションPPU(周辺処理装置)ソリューションを使用したという。

UNITEは、ドイツのみならず、メキシコ、インド、日本、コロンビア、南アフリカ、イスラエルにて、ベルギーでのTomorrowland EDMフェスティバルと並行して同時開催された。Tomorrowlandのメインステージと、世界各国に設置されたUNITEステージのライブDJセットがライブ中継で繋がった。

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同フェスティバルのライブプロダクションは、VPS Mediaが担当した。終日にわたって、各フェス会場からベルギーのプロダクションチームへと衛星中継が送られ、同様にTomorrowlandからのライブフィードをUNITEフェス会場でも受信し、LEDウォールで再生した。これにより観客はNicky Romero、Dimitri Vegas & Like MikeなどDJのセットを堪能したという。ドイツのイベントでは、2つの特長的なエレメントを使用。VPS Mediaのアンドレアス・シェッヒ氏は次のようにコメントしている。

シェッヒ氏:日中は共有用とは別のライブミックスを作成しました。これらはすべてマルチコアのファイバー接続経由でスタジアムのプロダクションスイートへと送信され、その後、会場のコンプレックス内に設置されたLEDウォール、モニター、TVスクリーンへと出力されました。これは自己完結型のライブアリーナコンサートとして扱われましたが、Tomorrowlandイベントのプロデューサーたちは必要があればこのフィードにアクセスできたのです。

夕方になるとすべてのUNITEイベント会場と衛星中継が繋がり、ベルギーからのライブフィードが送られてきます。これらの映像を使ってドイツのライブショーを作成しました。つまり、私たちはローカルフィードとグローバルミックスの2つのプログラムミックスを同時に作成したのです。これが、ATEM 2 M/EスイッチャーとBlackmagic MultiView 16を使用した2つのミキシングエンジンをライブシステムの中核に据えた理由です。

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VPS MediaのライブディレクターがTomorrowlandからのフィードをミックスし、他のスタッフがATEM 2 M/E Broadcast Panelからのローカルフィードを管理。これらのプログラムミックスはVJの元へルーティングされ、VFXを組み合わせて5面のLEDスクリーンで再生した。また、すべての映像はBlackmagic HyperDeck Studio 12Gを使用してSSDに記録。プロダクションチームにとって一番の課題は、ファンたちが同イベントの一員であることを実感できる雰囲気を作ることだったとシェッヒ氏は述べている。

シェッヒ氏:観客のニーズとリアクションを予測して洞察力に富んだ編集を実現することの重要性をおろそかにはできません。アーティストが聴衆に向けて叫ぶシーンのミキシングや、現地の観客のショットとTomorrowlandのコンテンツを融合させることが重要だったので、スイッチャーは非常に重要な役割を担いました。