Blackmagic Designの発表によると、パリで20年以上に渡りフィルムの現像・処理を手がけるポストプロダクション会社Film Factoryが、デイリーとフィルムスキャンのワークフローにCintel Film Scannerを導入したという。Cintel Film Scannerは、Blackmagic Designの取り扱い販社であるMagicHourによりFilm Factoryのフィルム処理施設に組み込まれる形で設置された。
Film Factoryの研究開発担当責任者であるリップ・ハンプトン・オニール氏によると、DaVinci Resolve Studioを同梱したCintel Film Scannerにより、フィルムのデイリーの処理時間が短縮され、現場のクライアントにスキャンした映像をいち早く納品できるようになったという。
オニール氏:Cintelは膨大なデータを高速で作成するんです。Mac ProとThunderboltドライブを搭載したシステムが1秒間に1.5ギガバイトをはじき出し、スキャンしたフィルムを直接DaVinci Resolve Studioに転送するので、スキャン後のファイルのコピーに時間を取られることなく、カラーコレクションやマスタリング作業にすぐに着手できます。難しい設定などはなく、シンプルなワークフローが実現できる非常に安定したハードウェアで、Blackmagic Designは本当に良い仕事をしていると思います。
最初は、デイリーのワークフローにだけCintelを使うことを想定していました。しかし、Cintelの全体的な質の高さに感動したので、Cintelがマスタリングにおいて、劇場映画の最終スキャンやプリスキャンを仕上げるのにどのように使えるか検討を始めたところです。Cintelは本当に優れていますね。特に、市場に出回っている他のスキャナーと比較して約20分の1の価格だということを踏まえるとなおさらです。
オニール氏によると、多くの面で業界は一巡し、映画製作者にとってフィルムは媒体としての選択肢の1つと再びみなされるようになったという。
オニール氏:デジタルには、隠れたコストが存在します。より長い時間カメラを回すので、ポスプロでラッシュの管理にかかる費用も高くなるのです。一方でフィルムでの制作は、より綿密に管理されています。フィルムの処理費用は比較すると多少高いですが、新しいテクノロジーの価格が下がっているということは、デジタルとフィルムの両方の使用を希望するフィルムメーカーや制作会社の価格面での壁が急速に打ち破られているということになります。
Cintelのスキャナーは、将来有望な非常に素晴らしいシステムだと思います。Cintelのおかげで、以前と比較して費用効率が良く迅速なサービスが提供できるようになったので、クライアントさんは費用の面ではなく、美的な観点からどのフォーマットを使うか決められるようになりました。ブラボー、Blackmagic Design!