パナソニック株式会社は、4K動画撮影が可能なミラーレス一眼カメラ「LUMIX DC-GH5」を2017年3月23日に発売する。希望小売価格はオープン、市場想定価格はボディのみが税抜24万円前後、標準ズームレンズが付属したDC-GH5Mが税抜27万円前後。

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GH5の戦略について説明するパナソニック株式会社 AVCネットワークス社 イメージングネットワーク事業部
事業部長 山根洋介氏

170125_gh5_maeda GH5の製品紹介を行うパナソニック株式会社 AVCネットワークス社 イメージングネットワーク事業部
商品戦略企画部 担当部長 前田将徳氏

GH5は、有効画素数約2033万画素の新開発Live MOSセンサーを搭載し、ローパスフィルターレス設計のリアルな解像力と、4K60pの動画記録に対応した高速読み出し(GH4比で約1.66倍)によるローリングシャッター歪み現象の抑制で、高画質・高速性を実現。新開発のヴィーナスエンジンにより、解像・高感度画質・色再現性が向上。新技術「マルチピクセル輝度生成」「インテリジェントディテール処理」により、交換レンズの持つ解像度性能を再現し、新3次元色コントロールでは、明度・彩度・色相別により豊かな色調を再現。高感度時は高精度マルチプロセスNRにより、ノイズ・信号成分を緻密に見分け、被写体のも繊細なディテールまで描写することが可能だとしている。

高精度ジャイロセンサー搭載と制御アルゴリズムの進化により、ボディ内手ブレ補正(B.I.S.)は5段分の補正効果を実現。Dual I.S.もボディ側の高精度ジャイロセンサーの情報を用いてボディ/レンズ両方の手ブレ補正を最適に制御するDual I.S. 2となり、中望遠~望遠域まで5段分の補正効果を実現。

GH4ではセンサー中央の4K領域を切り出して4K動画記録を行っていたが、GH5ではセンサー全域の読み出しでの4K動画撮影が可能。これまで外部レコーダーを必要としていた4:2:2 10bit 4K30p動画記録は本体内部のSDカードに記録可能。SDカード記録をしない場合は、4:2:2 10bit 4K60pでのHDMI出力も可能だ。

また、すべての記録方式で時間無制限に動画記録できるため、途中で中断することなく長時間記録が可能。様々なファイル形式に対応したファイルフォーマット選択(MOV/MP4)、グローバルの放送周波数に合わせたシステム周波数切換(59.94Hz/50.00Hz/24.00Hz)、4:2:2 10bitモニタリングスルー記録、編集に適したダイナミックレンジのガンマカーブ効果を得られるフォトスタイル設定(709ライク/シネライクD/シネライクV)、スローモーション、クイックモーション撮影のVFR(バリアブルフレームレート)記録が可能。輝度レベル設定や波形モニター表示、ゼブラパターンの調整、アシスト機能も標準搭載している。

カメラボディには、HDMI Type A端子を搭載し、ケーブル抜けを防止するケーブルホルダーを同梱。カメラボディには雑音参照マイクを内蔵し、カメラ内で発生する不要なノイズ音を抑えた収録が可能だという。さらに、別売りのXLRマイクロホンアダプターを使用することで、XLRマイクロホンを使用できるだけでなく、ハイレゾ音声記録にも対応する。φ3.5mmヘッドホン端子も搭載。

約18メガの高画素で、秒間30コマ高速連写が可能な「6Kフォト」を実現。「4Kフォト(約8メガ)」は秒間60コマ高速連写が可能。6Kフォト/4Kフォトモードで撮影した秒間30コマ/60コマ連写から1枚を選んで保存する際、ポストリファイン機能(前後のフレームを使用した画像合成処理)を使用することで、高速で動く被写体の撮影時に発生しやすいローリングシャッター歪み現象を補正できるローリングシャッター歪み補正や、高感度撮影時のノイズを低減可能な時空間ノイズリダクションの補正処理によって、自然な描写で仕上げることができるとしている。

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親指でフォーカスエリアを変更できるジョイステックを搭載

空間認識技術(DFDテクノロジー)により、AF速度は最速で0.05秒。DFDテクノロジーの処理速度はGH4比で約6倍に高速化し、検出精度は最大約8倍に高精度化している。動き補償回路の動き耐性向上により、動く被写体に対するAF追従性能も向上。AF時のフレームレートは、GH4比で約2倍の480fps。AF追従連写は、最大記録画素(20.3M)のままで約9コマ/秒。AF枠はGH4の49点から、225点に増加。新たに搭載されたジョイスティックとの組み合わせで、フォーカスエリアを選択することが可能。被写体や自分の撮影スタイルに合わせて、AF動作をカスタマイズすることもでき、被写体に合わせて4つのプリセットを選べるほか、好みの仕様に細かく調節で可能。

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SDカードスロットが2基搭載されている

防塵・防滴設計と、軽量かつ耐久性のあるマグネシウム合金フレームを採用し、シャッター耐久回数20万回、新たにマイナス10℃の耐低温設計など、過酷なフィールドでの撮影環境に耐えうる仕様。記録メディアはSDXC/SDHC/SDメモリーカード。SDカードスロットを2基搭載しており、順次(リレー)記録/バックアップ(サイマル)記録/振り分け記録が可能。その他にも、高精細約368万ドット、ファインダー倍率0.76倍、アイポイント21mmの有機EL(OLED)ファインダーや、視認性向上と省電力化したRGBW対応3.2型約162万ドットのフリーアングルタッチモニター、約1,000枚の撮影が可能な省電力ファインダー撮影機能を搭載している。

ルミックスGH5で撮影した4K動画:グリフィン・ハモンド

ルミックスGH5で撮影した4K動画:ルーク・ニューマン