NABのスーパーセッションにて、宇宙からの4K映像をライブビューイングするイベントが実施される。NASAとAmazon Web Services(AWS)、そしてAWS傘下のElemental Technologies(エレメンタル)が、宇宙から会場までの映像配信で技術協力する。ラスベガスコンベンションセンター(LVCC)内での4K映像ライブビューイングに併せ、マルチスクリーンに4K/HD両方でストリーミング配信する。
スーパーセッションは4月26日の10時30分(現地時間)より開催するテクノロジー部門の「Reaching for the Stars: Connecting to the Future with NASA and Hollywood」。国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在している宇宙飛行士とセッション会場の登壇者が対談し、大気圏を超えたライブ4K配信およびマルチスクリーン配信向けのクラウドベースの映像ワークフローを実証する。高精細な映像を370キロ以上も離れた宇宙の場所から中継し、地上でライブビューイングできることで、地上にいる科学者たちがリアルタイムで分析などが行える環境が実現する。ISSでは既にシネマカメラレベルのカメラシステムを持っているが、収録した映像をリアルタイムで地球へ届けるフローは今日まで実在していなかった。
セッションでは、第51次長期滞在クルーとしてISSにいるペギー・ウィットソン宇宙飛行士と、パネリストの一人として登壇するエレメンタルのサム・ブラックマンCEOが対談するほか、映画製作関係者や映像技術のリーダーおよびNASA科学者達と、NASAとハリウッド産業の関わりもトピックに交えたパネルディスカッションが繰り広げられる。ペギー・ウィットソン宇宙飛行士はフライトエンジニアで、第16次長期滞在では、女性として史上初のISSの船長(コマンダー)を務めた経験の持ち主。
■ライブストリーミング視聴向けシステムフロー
宇宙でのライブフィード(REDカメラで撮影)は、ISS内に設置されている、エレメンタルのビデオ処理ソフトウェアを搭載したシステムでHEVCにリアルタイムエンコードし、地上のジョンソンスペースセンター(JSC)に送る。JSCにてデコード、再エンコードをし、衛星経由でLVCCに設置された中継車に届けられる。中継車からはファイバーで伝送、イベント会場内のクリスティ4Kプロジェクターで投影する。4Kライブストリーミング視聴向けには、AWSクラウドのメディア配信システムを利用してマルチスクリーンへ配信する。
当日の4K/HDライブストリーミング(およびHDバージョン)は日本からでも視聴可能。なお、4K視聴には、4K対応デバイスが必要。なお、オンデマンドは全サイトにてHDバージョン、NASA TVでは、4K(UHD)でも視聴可能(予定)。
スーパーセッションでは、ホストをNABのEVP兼CTO、Sam Matheny氏、モデレーターをThe Hollywood ReporterのテクノロジーエディターCarolyn Giardina氏が務める。パネリスト7名は以下の通り。
- Bernadette McDaid、VR&AR担当開発責任者、バウ・エンターテインメント
- Dr. Dave McQueeney、シニア・プリンシパル・調査員、IBM Watson Group
- Khawaja Shams、エンジニアリング担当副社長、AWS Elemental
- Peggy A. Whitson、NASA 宇宙飛行士
- Rodney Grubbs、NASAイメージエキスパートプログラムマネージャー
- Sam Blackman、CEO兼共同設立者、Elemental
- Tracy Caldwell Dyson, Ph.D.、NASA 宇宙飛行士
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