© 2017 BBC.

Blackmagic Designの発表によると、BBC Oneのドラマ「Broken」のポストプロダクションでDaVinci Resolve StudioおよびFusion Studioによる編集パイプラインを使用してコンフォーム、グレーディング、VFX合成などが行われたという。

脚本家ジミー・マクガヴァーン氏による同作は、ショーン・ビーン演じるイギリス北部の教区でカトリック司祭を務めるマイケル神父の姿を描く物語。全6話の同作のポストプロダクションは、LA Productionsのスーパーバイザーであるパトリック・ホール氏が担当した。ホール氏は次のようにコメントしている。

ホール氏:オフライン作業を終えた後、DaVinci Resolveにプロジェクトを移動させました。ProRes 4444を再リンクすることで、4Kでコンフォームとグレーディングが行えました。

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制作にあたり、参考として使用された資料は特長的だったという。

ホール氏:監督と撮影監督は、ウィリアム・エグルストンやスティーブン・ショアなどが撮影した、1960年代と70年代のアメリカのルポルタージュ写真から本作のインスピレーションを得ることにしました。アメリカ南部のディープサウスと呼ばれる地域を撮影したもので、経済的に困窮しながらも極めて信仰心の厚い人々の姿を捉えた作品です。それらの写真を見て「Broken」の登場人物を映し出す鏡だと感じました。ストーリーにマッチする興味深い素材でした。

グレーディングは5つのLUTを使うことから始まった。これにより、参考に使われた写真の様々なスタイルを模倣、比較した。

ホール氏:ほかの連続ドラマと同様、一貫性を持たせることが最大のチャレンジでした。エミュレーションLUTとDaVinci ResolveのColorTraceは、世界配信用に複数のバージョンを納品する際に非常に便利でした。グレーディングは一瞬でコピーでき、時間がかかる複雑な作業が比較的簡単に行えました。

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ゴールデンタイムのドラマである同作のVFXは、Blackmagic DesignのFusion Studioを使用して合成とレンダリングが行われた。

ホール氏:シリーズ全体で約90のVFXショットがあり、また、それ以上の数のフレアとOFXプラグインをDaVinci Resolveで直接追加しました。実際、オフラインでのアッセンブル編集でFusion Connectを使いました。これにより、オフラインでの作業中にラフカットとしてVFXショットをFusionに送ることができたので非常に助かりました。コンフォームの段階では、Fusionで完成させたファイルにオンラインの素材を基に微調整を加えるだけですみました。

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LA Productionsは、3Dの雨粒や空の入れ替えなど様々なVFXを作成した。

ホール氏:撮影スタッフは、シリーズに必要な電車のシーンを全て1度に撮影しました。ところが各回でそのシーンを使用するにあたり、一貫性が得られなくなったので、私たちのチームで修正を行いました。いくつかのシーンでは電車の窓に雨粒を足すことになり、Fusionのパーティクルジェネレーターで作成した雨粒にモーションブラーで効果を和らげて、オリジナルのフッテージにマッチするようにしました。

DaVinci ResolveとFusionは非常にパワフルなノードベースのワークフローなので、使い方を学べば非常にすばやく簡単に作業が行えます。ゴールデンタイムのドラマに使用できるレベルのコンフォーム、グレーディング、VFXを、ここまで早く、効率的に行えるワークフローは他には思いつきません。