キヤノンは、業務用ディスプレイの新製品として24型4K/HDRディスプレイ「DP-V2411」を2017年12月上旬より発売する。希望小売価格はオープン、市場想定価格は税別200万円前後。

DP-V2411は、同社独自開発のディスプレイ用映像エンジンや、独自設計の直下型LEDバックライトシステム、IPS液晶パネルを採用することで、600cd/m2(最大輝度・全白輝度)の高輝度表示が可能。映像信号の平均輝度が上昇した際に表示画面の輝度が低下するといった、映像内容による輝度の変動を抑制し、安定した高輝度性能を実現しているという。

本体背面。12G-SDI端子搭載により、4K60pをSDIケーブル1本で伝送可能

12G-SDI端子(IN/OUT各4系統)の搭載により、3G-SDI端子搭載の4KディスプレイではSDIケーブルを4本必要としていた4K60P映像の送受信が、12G-SDI対応ケーブル1本で可能となった。12G-SDI対応ケーブルの接続により、4K60Pの映像信号を4系統入力でき、1つのディスプレイで信号を切り替えながら複数の4K映像を確認することが可能。また、HDMI端子も搭載しており、4K60P映像をケーブル1本で受信し再生することが可能。「SMPTE ST 2086」のHDRメタデータの表示にも対応しており、コンテンツ内の最大輝度や平均輝度などの情報を確認可能。その他にも、スイッチャーからのコントロール制御が可能なREMOTE端子や、外部機器からのコントロール制御が可能なLAN端子を搭載。電源部には、AC100~240Vに加え、DC24Vを採用。

HDR(左)とSDR(右)の2画面表示機能と確認機能をあわせた使用例

同社の現行機種「DP-V3010/2410/2420/1710」と同様に、Hybrid Log-GammaやPQ、同社独自のLogガンマ「Canon Log/Log 2/Log 3」など、各種EOTFに対応。入力信号の輝度レベルを表示する波形モニターや、入力画像を輝度別に異なる色で表示するフォルスカラー機能など、各種HDR方式に対応した撮影アシスト機能を搭載している。主な撮影アシスト機能は以下の通り。

(以下、プレスリリースより引用)

  1. EOTF(Electro-Optical Transfer Function)
    ビデオ信号をディスプレイの光(リニア信号)に変換し、各種規格に沿った変換関数で表示する機能。「Hybrid Log-Gamma」や「PQ」などに対応し、さまざまな規格の映像を確認可能。
  2. 波形モニター
    「Hybrid Log-Gamma」や「PQ」のHDR方式に沿った信号の輝度レベルをスケール(単位)表示で確認可能。
  3. フォルスカラー
    入力画像を輝度別に異なる色で表示することにより、カメラの露出合わせを補助する機能。白とびや、黒つぶれを輝度に応じた色で表示し、露出状態を視覚的に確認可能。また、波形モニターと同様に、各種HDR方式の輝度スケール(単位)を表示し、信号の輝度レベルをより正確に確認可能。
  4. 2画面表示
    1系統/2系統の4K映像を2画面で表示可能。HDRとSDR(Standard Dynamic Range)の比較や、HDRとフォルスカラーやピーキングなど機能表示を並べて確認することが可能。
  5. HDRレンジ調整
    HDR規格やLogの映像信号が持つダイナミックレンジの全階調を表示することや、確認したい階調の範囲を調整し表示することが可能。

ディスプレイ本体の大きさは幅約576mm×高さ387mm×奥行105mm(本体のみ)。「EOS C700/C500/C300 Mark II」に加え、ARRI社のカメラシステムと連携しており、カメラから取得したメタデータの表示や、カメラの画質設定値と連動した映像表示が可能。

なお、DP-V2411は2017年9月14日から19日(現地時間)の期間中にオランダ・アムステルダムで開催される国際放送機器展示会「IBC2017」の同社ブース(ブースNo.12.D60)にて展示予定。